地元紙パリジャンによると、パリを観光で訪れたマレーシア人の女性実業家が先週、宿泊先のリッツの部屋で指輪をホテルの従業員に盗まれた疑いがあるとして、警察に被害届を出していた。
女性は警察に、市内に買い物に出かけて数時間後に戻ってくると、テーブルの上に置いていた指輪がなくなっていたと説明したという。
ホテルの警備員らが捜索を続け、10日に掃除機の集塵袋の中に指輪を発見した。リッツは同紙の取材に「捜索に尽力し、日々誠実に、プロフェッショナルな仕事をしているスタッフに感謝している」と述べている。
女性は9日に空路でロンドンに移動したが、リッツ側は今回の災難のおわびとして3泊の提供を申し出たという。女性が応じるかは不明。指輪は持ち主の元に戻るまで警察が保管する。
パリの検察当局は今後、事件は解決済みとするか、さらに捜査するかを判断する。
リッツ・パリでは2018年、サウジアラビアの王室のひとりがスイートルームで80万ユーロ相当の宝飾品を盗まれたとして被害届を出したほか、斧や刃物で武装した男らによって450万ユーロ相当の宝飾品が強奪される事件もあった。
宝飾品絡みの犯罪はパリのほかの場所でも起きており、米国のタレント、キム・カーダシアンは2016年、パリの宿泊先で銃を突きつけられ1000万ドル相当(現在の為替レートで14億6000万円)とされる宝飾品を奪われた。
今年8月には、パリ中心部にあるスイス高級時計ブランド「ピアジェ」の店舗に武装した強盗が押し入り、被害額は1000万〜1500万ユーロ相当にのぼった。
(forbes.com 原文)