企業や組織にとって、リスクや脅威を認識しておくことは、危機的状況の備えになる。筆者が企業幹部たちに非公式な聞き取り調査を行ったところ、2024年に企業が直面し得るいくつかの重大リスクが明らかになった。
地政学的な不確実性
「世界各地で進行する地政学的緊張は、2024年のビジネスに対する重大なリスクであり、とりわけ、グローバル展開する企業や、当該地域で事業運営する企業への影響が大きい。こうした緊張は、貿易の断絶、政情不安、サプライチェーンの混乱をもたらす」。経営幹部リクルーティング会社CIPIの
クリス・パーシバル最高経営責任者(CEO)は、電子メールでそう回答した。
インフレの激化
「2024年には、インフレ率の高騰から、世界経済への重大な脅威が派生する可能性があると私は考えている。世界規模の政治的緊張の高まりから生じる株式市場のボラティリティは、こうした事態に拍車をかけるおそれがある」。
Kredite Schweiz(クレディト・シュバイツ)の上席金融コンサルタント、マイケル・シュミートは電子メールでこう回答した。
「こうした環境においては、ビジネスの運営コストが高騰し、利益率が圧迫される可能性がある。そして財務的苦境に陥れば、一部の企業は、残念なことだが人員削減や部門の縮小によって財務的安定性を維持せざるを得なくなる」
「投資しない」という失敗
「スマートで戦略的な企業は、2024年に投資を控えて資本を蓄積するのではなく、大局的な視野をもって人材やプロセスへの投資を行うことで、先手を打って好況期の波に乗り、来たるべき2030年代の大不況に備えるべきだ」。建築リスク戦略専門家の
ミーガン・シャピロは電子メールでそう回答した。
人材不足
「2023年には、とりわけ幹部やリーダーの職において、人材の大移動が活発化した。2024年も、スキルのある人材への需要は高く、引き続き需要が供給を上回り続ける。このため企業は、経済的・地政学的な不確実性が増す状況において、競争力を保って事業を運営するために必要な人材を発見し、つなぎとめることに苦労するはずだ」(CIPIのパーシバルCEO)
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