経営・戦略

2024.01.01 11:00

2024年、企業が直面する9つの重大リスク

遠藤宗生

サイバー攻撃の高度化

「生成AIの普及により、もっともらしいフィッシングメールが、人間が書くよりもはるかに短時間で作成されるようになり、攻撃はますます高度化する」。インフラアクセス管理会社Teleport(テレポート)のイブ・コンツェボイCEOは電子メールでそう述べた。

「加えて、現代の仕事は分散型であるため、主要な攻撃手段は電子メールだけでなく、テキストメッセージやソーシャルメディア、電話などと多様化する」

インサイダーの脅威

「インサイダー(内部者)の脅威に注意を払わない企業や業界は、自らリスクを増大させることになる。サイバーインシデントの約60%はインサイダーに起因しており、また企業幹部の圧倒的多数は、サイバーリスクを深刻に捉えていない」。APCO Worldwide (APCOワールドワイド)でサイバー防衛/レピュテーションチームを率いるブライアン・キーターは電子メールでそう回答した。

気候変動

「マウイ島の山火事、砂漠の祭典『バーニングマン・フェスティバル』を襲った歴史的水害、米国を襲った未曾有の熱波と寒波を見れば分かるように、企業は、従業員の安全と事業継続のため、緊急対応計画を策定する必要がある」。Resiliency Initiative(レジリエンシー・イニシアティブ)の創業者兼プレジデント、アンドレア・デービスは電子メールでそう指摘した。

自己満足と混乱

「2024年が目前に迫るなか、(企業の)自己満足と消費者の混乱は、最大のリスクであり脅威だ」と、DirectTV Business(ディレクTVビジネス)のシニアバイスプレジデント、ダグ・アイクラーは電子メールで述べた。

「これは業界を問わずあてはまるが、とりわけ、コンテンツおよびエンターテインメント業界において重大だ。何が可能かを再考し、顧客のニーズに真摯に耳を傾けて適応し、コンテンツのアグリゲーションやキュレーションを発展させつつ、最高品質の体験を提供できる企業は、来年以降の成功に最も近い場所にいる」

他者とつながる能力の喪失

「われわれが対峙(たいじ)する新世代の若者たちは、テクノロジーとソーシャルメディアに囲まれて育ち、過去の世代と違って密接な対人関係を経験していない。さらに、若者に限らず全世代のプロフェッショナルが、ますます長い時間をデジタルデバイスに費やしており、他者とのつながりはかつてないほど希薄になっている」と、対人交渉トレーナーのスコット・ティレマは電子メールで述べた。

「個人として、またプロフェッショナルとして成功したいなら、対人関係スキルが必要だ。人々のつながりが途絶えると、パフォーマンスは大幅に低下し、組織を去る確率が跳ね上がる」

forbes.com 原文

翻訳=的場知之/ガリレオ

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