アジア

2023.12.13 08:30

韓国で二次電池株急騰、立役者「バッテリーおじさん」の素顔とは?

st.noon / Shutterstock.com

「バッテリーおじさん」引退を宣言

このようにお騒がせ発言を重ねながらパク氏の人気が上昇すると、彼のもうひとつの顔を暴露する人たちも現れた。パク氏はクムヤンの広報担当役員でありながら、投資一任会社で運用本部長も兼職しており、そのように金融投資業に関係しているのは法律違反ではないかという疑いも浮上した。
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実は、パク氏は2022年からネクストラという投資一任会社の運用本部長として勤務していて、実際に金融監督院がこれらに関して調査に乗り出し、12月現在、暫定的にネクストラに対して、金融会社支配構造に関する法律と資本市場法を違反したと結論を出した。これから、会社に対して制裁をすることになれば、パク氏個人にも同様の措置が行われることになる。

これに対して、バッテリーおじさんことパク・スニョク氏は「兼職に関しては何も問題はない」と突っぱねたが、結局、クムヤンもネクストラも辞めざるをえなくなったようだ。

すると今度は、パク氏はすべてのメディア活動を中止すると宣言し、ついには個人投資家、クムヤンをはじめ韓国の電池メーカー、そして政府にいたるまで、大韓民国全体に向けて自らの恨みつらみを、YouTubeを通じて発信した。
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その要旨は、自分は個人投資家、バッテリー企業、さらには韓国のためにK-バッテリーのアンバサダーを務めてきたが、自分から甘い汁を取るだけ取って、いざ自分が辛い立場になっても誰も助けてくれない、こんなことなら、もうメディア活動はやめるということのようだった。

さらに、自分のおかげで個人投資家たちは投資でお金を儲け、自分が所属していたクムヤンも1年で時価総額が16倍にも増加し、K-バッテリーも投資ブームにより株価は上昇し、それによって企業の設備増設や海外市場開拓の恩恵を被っている。韓国全体が自分から恩恵を受けている。「誰にも自分の活躍は否定できまい」と自負した。

そして「中国バッテリーを称える人たちが金融監督院や株式取引所と手を組んで、K-バッテリー(韓国バッテリー)産業をなぎ倒している」とも主張し、「公務員らは韓国の未来が脅威にさらされているにもかかわらず、机上の空論ばかり述べている」と指摘した。

また「50歳を過ぎで会社を首になり、約束されていたはずのRSU(譲渡制限付き株式ユニット)の2万株ももらえず、身の危険さえ感じる。韓国の未来に多く貢献できたことは本当に矜持を感じるが、その恩恵は他の人たちが享受し、自分には逼迫だけがくだされるそんな現実において、もうバッテリーおじさんの活動はやめる」と言い放った。

とはいえ、パク氏は「バッテリーおじさん」を辞めるとは言ったものの、人気は依然としてあり、いつのまにかシレっとまたYouTubeに顔を見せていたり、講演会などを開いたりして、相変わらず自らの承認欲求を満たしている。

文=アン・ヨンヒ

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