エコシステム

2023.12.18 08:30

BEENEXT佐藤輝英の描く「10年後の理想」 日本企業の揺るがぬ地位確立へ

眞鍋 武

――貢献できる人材になるために意識していることは何でしょうか。
 
人の縁です。私も若い頃は年長者の方々から「佐藤くん、これもご縁だから」とよく言われたものですが、実際に振り返ってみるとこれまでの多くの出会いは、偶然が重なった結果ともいえます。
 
そして、心を常にオープンにしていれば、新しい出会いのきっかけも次々と舞い込むものです。朝、起きたときに「さあ、今日は誰と出会えて、何が起きるか」という姿勢で20代の頃から毎日を生きることができれば、時間の蓄積で複利が利いて、40代や50代になる頃には多くの支援者や様々なネットワークが生まれ、自分がやろうとすることをサポートしてもらえたり、自分自身も多くの人をサポートしたりできるのではないでしょうか。
 
――佐藤さんが「10年後の理想」として描いている未来について聞かせてください。
 
日本は今も世界3位のGDPを誇っていますが、2050年には多くの国に抜かれて7位になると予想されています。10年後、世界経済が大きく様変わりしていることは間違いないでしょう。
 
ただ、マクロ経済にも大きな影響を与えながら予見可能な要素である人口を考えると、日本が何をすべきかも見えてきます。まずグローバル展開はマストであり、その道筋を早くつけた企業は、10年後にますます栄えているはずです。
 
そもそも日本は他国と比べて、先人が築いてきた高い信頼性をもっています。日本人、あるいは日本企業というだけで、ほとんど全ての国で信頼してもらえるほどです。そんな日本人や日本企業がグローバル展開を成功させることができれば、成長も続くはずです。
 
そのためには何らかのリスクを取らなければいけません。グローバルに打って出ようと思えば、言葉や文化の問題も避けて通れません。やらない理由は探せばいくらでも出てくるでしょうから、問題はやるかやらないかではなく、やると決めてどうやるか。そこにはタイミングなどの問題があり、個人や企業ごとに対応が変わってきます。
 
ただ、リスクを取って動き出すことはマストであり、それができれば10年後でも20年後でも、世界経済に大きな変動があっても揺るがない立ち位置を確立できているはずです。
 

佐藤輝英◎慶應義塾大学総合政策学部卒。在学中からソフトバンクにて、米国のEC決済技術をもつサイバーキャッシュ(現DGフィナンシャルテクノロジー)の日本法人立ち上げに参画。2000年からBEENOS(旧ネットプライスドットコム)代表。04年同社を東証マザーズ上場へと導く。11年、次世代の起業家たちをサポートするべくスタートアップ支援プログラム「Open Network Lab」をデジタルガレージ、カカクコムと共同で立ち上げ。15年、シンガポールを拠点とするベンチャーキャピタルBEENEXTを設立。インドや東南アジアなど、新興国のインターネット企業への投資を進め、グローバルな起業家ネットワークを構築中。世界中の次世代起業家支援をライフワークとし、公益財団法人 国際文化会館理事、シリコンバレー・ジャパン・プラットフォーム エグゼクティブコミッティーのメンバー、一般社団法人エンデバー・ジャパンのボードメンバーなども務める。

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