米ファストフード大手、ストリーミング業界に異例の新規参入画策

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米国のファストフードチェーン大手のChick-fil-A(チックフィレイ)が、ストリーミング市場に参入するもようだ。チキンに特化したメニューで知られる同チェーンは、これまでのブランドや商品とは無関係のオリジナル番組を配信するエンタメ系アプリのプロデューサーを募集する求人情報を出している。

テネシー州のテレビ局WVLTが報じたところによると、チックフィレイは、「PLAY」と呼ばれるアプリの立ち上げに向けて、制作スタッフを自社サイトで募集。求人情報によると、このアプリは、チックフィレイの商品やブランドとは必ずしも関連性を持たないオリジナルのエンタメ番組を配信するもので、そのコンテンツには家族向けのポッドキャスト番組やオリジナルのアニメ、リアリティ番組やゲーム番組などが含まれる可能性がある。

同社は、5年から6年の実務経験を持つ、さまざまな形態のコンテンツのプロデューサーを求めている。PLAYアプリの立ち上げの時期やその他の詳細は明らかにしておらず、求人情報以外では正式なアナウンスをしてない。

ジョージア州アトランタに本社を置くチックフィレイは、フライドチキンのサンドイッチで有名なチェーンだが、2019年から毎年ホリデーシーズンにアニメ映画を公開している。今年は、2021年に就任したアンドリュー・キャシー最高経営責任者(CEO)の指揮下で、子供向けのパズルやゲームの販売を開始した。

しかし、チックフィレイが参入しようとしているストリーミング業界は競争が激しく、加入者数の伸びの予測が難しく、利益率も不安定だ。異業種からコンテンツ業界への参入を目指す企業は同社だけではなく、マテルやハズブロのような玩具メーカーもそれぞれ、『バービー』や『ダンジョンズ&ドラゴンズ』といった映画で成功を収めている。

チックフィレイは近年、いくつかの批判も浴びている。同社の慈善団体であるチックフィレイ財団は、反LGBTQ的とされる団体への寄付で批判にさらされた。さらに、前CEOのダン・キャシーは同性婚に反対する過去の発言で非難を浴びていた。しかし、チックフィレイ財団は2019年、物議を醸した寄付を停止し、代わりにホームレスの問題や教育問題に取り組む少数の団体に寄付を集中させると発表。この決定は、一部の保守派の怒りを買っていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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