暗号資産

2023.12.11

「米ドル崩壊」でビットコインは来年急騰へ、一部アナリストが予言

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ビットコインの価格は過去1年で200%近くも急騰しており、ウォール街がこの市場の爆発的成長に備えているとの見方にも後押しされて、イーサリアムやXRPなどを含む暗号資産市場全体の時価総額は、2022年5月以来で初めて1兆5000億ドル(約218兆円)を突破した。

そんな中、一部のアナリストは米連邦準備制度理事会(FRB)が無限にドルを印刷するマネープリンターを再稼働させ、米ドルの価値を落とすことで、2024年のビットコインの大暴騰を加速させる可能性があると予測している。

「金融緩和が期待どおりに進み来年半ばに利下げが実施されれば、ビットコインの価格は保守的な見積もりでも、2024年の年末までに7万ドルに達するだろう」と暗号資産運用会社CoinSharesのルーク・ノーランは述べている。

歴史的な引き締めサイクルを経たFRBは、インフレ率の鈍化にともない、来年利下げを開始すると広く予測されており、一部の専門家は今でもリセッションの到来を予測している。

元ゴールドマン・サックスのアナリストで、現在は暗号資産運用会社グレイスケールに所属するザック・パンドルは、英紙フィナンシャル・タイムズ紙に対し「ゴールド(金)や債権、そしてビットコインがそのことを教えてくれた」と語り「米ドルの価値が損なわれた場合に、唯一の競合になれるのがビットコインだ」と付け加えた。

2008年の金融危機以降の莫大な政府支出とFRBによる通貨の過剰供給は、パンデミックとロックダウンによってさらに推進され、米ドルが崩壊に向かうかもしれないという懸念を引き起こしている。

ジェフリーズのアナリストも10月、FRBが来年、無限にドルを印刷するマネープリンターを再び稼働せざるを得なくなり、米ドルが崩壊し、ビットコインを金に匹敵する資産に押し上げる可能性があると警告していた。

ジェフリーズのグローバル・ヘッドのクリストファー・ウッドは、顧客向けのメモで「FRBを含むG7の中央銀行は、現状の非伝統的な金融政策から穏便なかたちで撤退することはできず、最終的には何らかのかたちで中央銀行のバランスシートの拡大を継続することになるだろう」と書いている。

ハイパーインフレを警告する声

コインベースの元CTOで、アンドリーセン・ホロウィッツの元パートナーであるバラジ・スリニバサンは、今年3月のシリコンバレー銀行の破綻の直後に「米国でハイパーインフレが起こり、ビットコインが90日以内に100万ドルに到達する」と予測し、その賭けに100万ドルを投じた。

スリニバサンの予測は外れたが「私は、米ドルが脅威にさらされていることを人々に警告することには成功した」と述べていた。

「私は、彼らが何兆ドルもの金を印刷していることを伝えるために100万ドルを燃やしのだ」と、スリニバサンは5月3日のX(旧ツイッター)の投稿で述べていた。「私は、経済が問題を抱えており、FRBのパウエル議長が約束するようなソフトランディングではなく、もっと悪いことが起こることを警告するために私財を投じたのだ」と彼は書いていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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