さらに懸念されるのは、これらのプログラムが未成年者のヌード写真作成に利用されている点だ。今年9月、スペインで20人以上の少女のAI生成ヌード画像が摘発された。ほとんどの画像は、少女たち自身がインスタグラムのアカウントに掲載した着衣写真を元に作成されていた。AI搭載アプリ「ClothOff」で元画像をヌード写真に加工した後、WhatsAppのグループで共有するという手口だった。
米ニュージャージー州でも先月、同様の手法で複数の高校生が同級生のヌード写真を作成していたことが発覚した。
著名人、同級生、バスに乗り合わせた見知らぬ人々、会社の重役、同僚、子どもたちの写真でさえ、たった数回のクリックで「脱がす」ことができてしまう。現在のところ、こうした写真加工を禁止する米連邦法はない。ただし、AIを用いて未成年者のポルノ画像を作成するのは違法だ。11月にはノースカロライナ州の児童精神科医が、患者の着衣写真をAIで性的な画像にデジタル加工したなどとして、児童ポルノ違反で禁錮40年の判決を受けた。
だが、大人の写真に関しては依然、一連のアプリとそれを使って作成された画像は合法の扱いのようだ。米誌タイムによれば、TikTok(ティックトック)とMeta(メタ)は「undress(脱衣)」という検索ワードをブロックすることで、こうしたプログラムへのアクセスを減らそうとしている。グーグルも、ヌード化アプリやサービス提供サイトの広告を一部削除している。
(forbes.com 原文)