プーチン大統領は大統領府(クレムリン)で開かれた軍事表彰式で出馬を表明したと、複数の報道機関が伝えている。国営放送によると、ドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、軍関係者の質問に答えたプーチン大統領の発言は自発的なものだったと述べた。ロイター通信は、プーチン大統領は発表の際、カメラを見ておらず、マイクがかろうじて同大統領のくぐもった声を捉えたと伝えた。
選挙は3月17日に実施される予定で、プーチン大統領の勝利はほぼ確実とみられている。ブルームバーグは、ロシア政府が今回の選挙で、ウクライナに対する軍事侵攻が国民に幅広く支持されていることや、6月の軍事クーデター未遂で揺らいだ政権の強さと安定性を示す狙いだと報じた。
プーチンは2000年、ソビエト連邦崩壊後の初代ロシア大統領ボリス・エリツィンが退任した後、大統領に就任。その後、大統領を4期、首相を1期務め、クレムリンの指導者としてはヨシフ・スターリン以来の長期政権を維持している。直近の2018年の選挙では、プーチン大統領が77%の得票率で勝利したと報じられているが、ロシアの選挙は専門家の多くから不正とみなされている。
プーチン大統領は2022年2月、ウクライナへの軍事侵攻を開始し、同国の指導者を倒して親ロシア政権を樹立しようとしたが、この動きは国際的な非難を浴びた。それが長期戦に発展し、現在は膠着状態にある。
ロシアの民間軍事会社ワグネル・グループの創設者エブゲニー・プリゴジンが企てた軍事クーデターは、多くの観測筋から、プーチン政権に対する最も深刻な脅威だと考えられた。クーデターの試みは、ワグネルの部隊がモスクワに進軍する中で突然終結。プリゴジンはその2カ月後、国内での飛行機墜落により謎の死を遂げた。
ロシアでは最近、憲法が改正され、プーチン大統領はあと2期、2036年まで大統領の座にとどまれるようになった。
(forbes.com 原文)