音楽

2023.12.08 18:30

日本からパレスチナに支援を。アンダーグラウンド音楽シーンが見せた連帯

コンピレーションアルバム『 A Better Tomorrow for Palestine 』に参加したアーティストら

コンピレーションアルバム『 A Better Tomorrow for Palestine 』に参加したアーティストら

イスラム組織ハマスのイスラエルへの奇襲攻撃によって始まった軍事衝突は、10月7日の開始から二カ月が経過した。11月24日からの戦闘休止は7日間で終わり、イスラエル軍は12月1日になるとパレスチナのガザ地区への軍事作戦を再開した。

12月5日時点で、国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、双方の累計死者数は当局発表でガザのパレスチナ側で16248人以上、イスラエル側で1200人以上とされる。

悲惨極まる状況に対して、支援団体だけでなく、世界各地のアスリートやアーティストらが寄付や発信といったアクションを見せているなか、日本の音楽シーンから有志のアーティストたちによるパレスチナ支援のための作品がリリースされた。

全ての収益を英国の慈善団体「Medical Aid for Palestinians」(パレスチナでの医療援助)に寄付することを目的としたこのコンピレーション作品『 A Better Tomorrow for Palestine 』には、E.O.U、HAPPY、Mars89、SUGAI KEN、食品まつり a.k.a Foodman、チプルソら、日本のアンダーグラウンドなクラブ、エクスペリメンタル、ヒップホップ界隈の人気アーティストが参加し、楽曲を提供している。

プロジェクトを主宰したのは、Leo & Hinata(IG: @leop_leop @coldpizzaishotterthan_u)
が2023年11月に発足した「naru records」(IG: @narurecords)。彼らはレーベルの運営を通して、「パレスチナの問題だけでなく、様々な社会問題に音楽を通してアプローチしていきたい」と伝えている。

リリースの目的は、日本国内での寄付の呼びかけや、パレスチナで起きている虐殺に関して考えるきっかけを作ること。日本人もしくは日本を拠点とするアーティストに声をかけ、「希望 -Hope-」「 平和 -Peace-」「 団結 -Unity-」「 愛 -Love-」といったテーマのもと、ジャンルや曲の新旧は問わず、楽器を提供してもらったのだという。
次ページ > どこまで人間らしさを失ってしまったのか?

文=三木邦洋

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事