日本のメディアの報道によると、東京を拠点とする配給会社ビターズ・エンドは7日、この映画の題材が「私たち日本人にとって非常に重要で特別な意味を持つものです」と述べ「さまざまな議論と検討」の末に、この映画の日本公開を決定したと発表した。
この声明はまた、7月に『バービー』と並んで注目を浴びたこの映画が「さまざまな映画賞の最有力候補」であると述べている。ビターズ・エンドは、『オッペンハイマー』の日本公開が2024年のいつになるかは明言していない。
この映画が直面した反発は、1945年に広島と長崎に投下された原爆の被害の描き方に関して沸き起こった。この伝記スリラーは、理論物理学者のJ・ロバート・オッペンハイマーが最初の核兵器を開発し「原爆の父」と呼ばれるようになった過程を描いている。この映画は、オッペンハイマーが、史上最も破壊的な兵器を作ることの倫理的正当性に苦悩する姿を描いているが、20万人以上が死亡した原爆の恐怖には立ち入っていない。英紙ガーディアンによれば反核団体は、この映画が日本人が被った悲惨な被害を描いていないとして映画製作者たちを非難した。
Box Office Mojoによれば、『オッペンハイマー』の世界の興行収入は9億5000万ドル(約1360億円)以上に達している。この映画は、来年早々にアカデミー賞候補になると噂されている。
日本の歴史を描いた米国製の映画が論争に直面するのはこれが初めてではない。2015年に、日本の右翼の抗議者らは、第二次世界大戦中に日本軍の捕虜となり拷問を受けた米軍兵の物語を描いたアンジェリーナ・ジョリー監督の映画『アンブロークン』の公開を遅らせようとした。この映画は、米国での公開から1年後に日本の劇場で公開された。
(forbes.com 原文)