ヘイリーを支持する民主党寄りの富豪はホフマンだけではない。JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEO(最高経営責任者)も先週のカンファレンスで、ヘイリーがトランプ前大統領よりも良い選択肢になる可能性を示唆し「あなたがたとえリベラルな民主党支持者であっても、彼女を支援してほしい」と呼びかけていた。
科学機器メーカーBruker(ブルカー)の会長でCEOのフランク・ローキンも最近、ヘイリーへの支持を表明し、無党派層に彼女を支持させるための新たなスーパーPAC(特別政治行動委員会)を共同設立した。さらに、コーク・インダストリーズのCEOであるチャールズ・コークが設立した保守系政治団体も先月末、ヘイリーを支持すると発表した。
一方、以前はフロリダ州知事のロン・デサンティスへの支持を表明していた他のビリオネアも現在はヘイリーを支持することを検討しており、その中には、大手ヘッジファンドのシタデル創業者ケン・グリフィンや、ホーム・デポの共同創業者ケン・ランゴーンらが含まれている。
ランゴーンは先日、CNBCの取材に、ヘイリーが「トランプを打ち負かす可能性のある唯一の共和党候補者」だと述べ、デサンティスがフロリダ州で妊娠6週より後の人工中絶を原則禁止する法案に署名したことで嫌気がさしたと付け加えた。
世論調査サイト『FiveThirtyEight(ファイブサーティーエイト)』によると、ヘイリーの支持率はここ2カ月で3ポイント上昇したが、デサンティスは0.5ポイントを失い、春のレベルを大きく下回っている。一方、ニューヨーク・タイムズ紙は、共和党の一部の献金者や戦略担当者らが、トランプ批判の急先鋒とされる前ニュージャージー州知事のクリス・クリスティに選挙戦から降りてヘイリーを支持するよう積極的に働きかけていると報じている。
ただし、ヘイリーはまだ苦しい戦いに直面している。ヘイリーの支持率は11%で、デサンティスの支持率は13%、トランプの支持率は59%とされている。それでも前大統領の陣営は、先日の声明で「デサンティスが落ち込んでいる一方で、ヘイリーは勢いを増している」と述べていた。
デサンティス陣営は、ホフマンの寄付が報じられた直後、X(旧ツイッター)の投稿で、ヘイリーを「民主党の献金者とウォール街のCEOの言いなりになるリベラル派」と非難した。
(forbes.com 原文)