『GTA6』トレーラー公開で露呈した「反ポリコレ運動」の悲しい現状

Hamara / Shutterstock.com

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ついに公開された新作ゲーム『Grand Theft Auto VI』(GTA6)のトレーラーは、インターネット上でさまざまなコメントや臆測の嵐を巻き起こすとともに、アンチ・ウォーク派(マイノリティに配慮した表現を推進するポリティカル・コレクトネス=政治的妥当性に反発する人々)によるむなしい反発を呼んだ。

トレーラーでは、犯罪者カップルの「ジェイソン」と「ルシア」という2人の主人公がお披露目された(ファンはすでに、2人を「ボニーとクライド」になぞらえている)。ルシアはGTAシリーズ初の女性プレイヤーキャラクターではないものの、初の女性主人公となる。その存在は数カ月前にリークされ、その時にもすでにGTAが「ウォーク(woke)」になったとの臆測を呼んでいた。
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さらに、開発元のロックスター・ゲームスが、『GTA6』ではマイノリティを「しいたげる」ようなユーモアは排除する方針だと伝えられたことも、アンチ・ウォーク派の不安をさらにかき立てた。

しかし、トレーラーが公開されると、こうした反発はファンの熱狂によりすぐにかき消された。その再生回数は、前作GTA5のトレーラーが12年間にわたり積み重ねた再生回数を、わずか36時間で突破。本稿執筆時点で、1億1300万回を超えている。

これに対し、アンチ・ウォーク派のコンテンツクリエイターたちは、大きな反発の波を巻き起こそうと躍起となったが、その試みは軒並み失敗に終わった。

主人公ルシアのキャラクターデザインに対する反感をあおろうとした人もいたが、ルシアの容姿は一般的に美しいとみなされるものであるため、そうした批判は広まらなかった。

さらには、ルシアが実はトランスジェンダー女性なのではと疑う人も出始めた。これは「トランスベスティゲーション」と呼ばれる現象で、特定の人物が実はトランスジェンダーだという事実無根の疑惑に基づき、ネット上の人々が調査(インベスティゲーション)を行うものだ。

トレーラーを見て、コンピュータの電源を切りたいほど憤慨した人々が大勢いたことは、投稿されているコメントの数々を見ると明らかだ。だが概して、こうした人々の批判は周囲には響かず、困惑をもって受け止められた。
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翻訳・編集=遠藤宗生

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