米国・イスラエルは国際社会では少数派だ。これまでも、中東で騒乱が起きれば、米国が批判されるという構図が繰り返されてきた。さらに、今のバイデン政権は余裕がない。来秋の大統領選にばかり頭が行く。「イスラエルを支持しなければ、選挙が不利になる」という短絡的な思考を招き、結果的に米国内でもイスラエルを批判するデモが繰り返されるという悪循環を招いている。今の米国はまるで、ロバート・マクナマラ元国防長官が「一国の最も深いところに潜んでいる力は、軍事力ではなく、国民の団結力だ」と語ったような、ベトナム戦争末期のような雰囲気さえ漂わせている。
ロシアや中国は勢いづき、「米国の唱える法の支配は偽善だ」と触れて回っている。世界は「やったもの勝ち」になり、あちこちで衝突が起き始めている。アフリカのマリやニジェール、ブルキナファソではクーデターが相次ぎ発生した。旧ユーゴスラビアのコソボでは、アルバニア系住民とセルビア系住民の対立が先鋭化している。南米では、ベネズエラが、隣国ガイアナの3分の2を占める「エセキボ地域」を自国領とする動きを見せている。
まさに戦後秩序・法の支配の崩壊だ。ウクライナとガザでの戦乱は「戦後秩序」という蓋を外し、地獄の釜を開ける号砲になるのかもしれない。
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