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2023.12.25 10:00

欧州でスタートアップ投資激減、「元ユニコーン」が52社に

Shutterstock.com

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今年6月、欧州のスタートアップとしては史上最高額の1億1300万ドル(約160億円)のシード資金を調達して話題となったのが、パリを拠点とする人工知能(AI)関連スタートアップのMistral AI(ミストラルAI)だ。メタとグーグル出身の研究者チームがOpenAIを競合に見据えて立ち上げた同社は、高金利と長引くウクライナ戦争の影響下で1億ドル以上を調達したごく少数の欧州企業の1社に挙げられる。

2023年に投資家が支援した欧州のスタートアップ向けの1億ドル以上のラウンドはわずか36件で、2022年の163件から激減した。この低迷は、欧州の新興企業への投資が引き続き減速している結果であり、今年の投資額は昨年から38%減の450億ドルで、2021年の投資額の1000億ドルとの比較では半分以下に落ち込んでいる。

ベンチャーキャピタルのAtomicoが毎年発表しているState of Europe Reportによると、欧州のユニコーンの評価額も低迷しており、評価額が10億ドル以下に減少した「元ユニコーン」の数も52社に達している。とはいえ、欧州のテック・エコシステムの価値は、新会社の設立や継続的な投資のおかげで、かつてのピーク時の3兆ドルまで回復している。

Atomicoのパートナー、Tom Wehmeirerはフォーブスに、「昨年、私たちは2021年と2022年に見られたオーバーヒートの後の新たな現実とリセットに直面したが、今では新たな希望を抱いている」と語った。

一方、セコイア・キャピタルやベッセマー・ベンチャー・パートナーズなどに続き、アンドリーセン・ホロウィッツやIVPが今年ロンドンにオフィスを開設する動きを見せているにもかかわらず、米国の投資家は欧州の新興企業から手を引き続けている。報告書によると、米国を拠点とする投資家が関与した欧州企業の成長ラウンドの数は、2019年以来の最低水準に落ち込んでいる。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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