海外

2023.12.29 09:00

培養ヒト組織とAIで創薬の課題解決 米スタートアップVivodyne

Vivodyneのアンドレイ・ゲオルゲスクCEO(中央)(C)Vivodyne

創薬業界の発展を支援する

さらに、ビボダインは臓器系のモデルを成長させるだけでなく、その臓器をさまざまな病気に感染させ、薬がその病気をどのように治療するかをシミュレートできる。例えば、肺組織を培養して呼吸器疾患に感染させ、さまざまな治療を施し、その結果をカタログ化することが可能だ。「臨床試験やヒトでテストする前に、臨床データを作成することができる」とゲオルゲスクは話す。
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ゲオルゲスクの組織モデルは拡張性が優れており、現在の学術研究用の組織培養プロセスをはるかに上回る。「ロボットを使った完全自動化プロセスによる再現性と厳密なコントロールにより、一度に数万もの組織を培養することができる」と彼は言う。

コースラ・ベンチャーズのパートナーであるアレックス・モーガンは、この拡張性こそがビボダインに出資する大きな決め手になったと話す。同社のテクノロジーは、医薬品の開発を改善するだけでなく、機械学習システム向けに有用なデータを提供し、バイオテクノロジー企業がより優れた医薬品を設計することを可能にするという。

「非常に多くのデータを収集し、AIシステムで解析できるため、ビボダインは顧客の新薬開発を大きく後押しすることになる」とモーガンは言う。ゲオルゲスクは、今回のシードラウンドで調達した資金で、より多くの組織システムの開発や、自動化の規模拡大、人材基盤の構築を図る計画だ。
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ビボダインは、生物学における大規模データセンターとなり、科学者たちにヒトの病気を研究する上でこれまでにない能力を提供することを目指している。「それが、われわれの目指している未来だ」とだゲオルゲスクは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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