公開から2日ほど経ち、その結果が次第に明らかになってきた。GTA6のトレーラーは、人気ユーチューバーのミスタービーストが保持していた記録を破り、音楽以外の動画における1日の再生回数でトップに立った。これまで1位だったミスタービーストの動画「Every Country On Earth Fights For $250,000(地球上のすべての国が25万ドル争奪戦)」は公開から1日で5940万回再生されたが、GTA6のトレーラーはそれを大幅に上回る9100万回という新記録を打ち立てた。
これは、韓国のアイドルグループBTSによるヒット曲『Butter』のミュージックビデオが樹立した、24時間で1億800万回という総合記録にも迫る勢いだ。ただし、ミュージックビデオはファンが曲を聴くために繰り返し再生するという点で有利である。
もう1つの興味深い記録として、GTA6のトレーラーが、前作『GTA5』のトレーラーの総再生回数を抜いたことがある。GTA5のトレーラーは12年間で1億100万回再生された。対してGTA6のトレーラーは、公開から約36時間たった本記事の執筆時点で1億400万回再生されている。
GTAシリーズは、『3』から『バイスシティ』『サンアンドレアス』『4』にかけて一貫してヒットを飛ばしてきたが、その人気は『5』で頂点に達し、同作は10年にわたり売れ続ける怪物タイトルとなった。これに匹敵するゲームシリーズは、ほかに存在しない。
GTA5の販売本数は、1億9000万本に到達。これを超えるゲームは、3億本を売り上げた『マインクラフト』のみだが、同作の価格はGTA5よりもはるかに安い。その次は『テトリス』の1億本。残る上位タイトルは、ゲーム機とセット販売されたものや、価格が60ドル未満のものばかりだ。GTAと比較できるゲームで販売本数がこの次に多いのは、同じくロックスターが開発した『レッド・デッド・リデンプション2』の5700万本だ。
GTA6の売り上げが前作の記録を塗り替えると信じる理由は十分にある。GTA5は2013年の発売初日の売上高が8億ドルと、ゲーム業界のみならず、エンターテインメント業界全体での史上最高記録を樹立した。これはインフレ調整後で現在の10億ドル(約1500億円)に相当するが、GTA6がこの記録を更新することは容易に想像できる。もちろん、現在はほぼすべてのAAAタイトルが70ドルで販売されていることも、売上高の増加に寄与するだろう。
長期的には、1億9000万本を売り上げられるだろうか? それは発売から数年あるいは10年経ってみないとわからないが、もしGTA6がGTA5のような成功を収め、現在サービス中の『GTAオンライン』に相当するタイトルが収入を生み続けてプレイヤーを囲い込めれば、十分あり得る話だろう。
GTA6がモンスター級のタイトルとなることは間違いない。問うべきは、その規模がどこまで大きくなるかだ。
(forbes.com 原文)