ニットに抱かれて─連載 Forbes JAPAN CIRCLE 30

触れなくとも伝わってくる、柔らかさや温もり。そして厳選素材と職人技に宿る、上質感と優しさ。優れたニットウェアは、着用者はもちろん周囲の人々をも、豊かな風合いで無言のうちに包み込む。冬の訪れとともに楽しむ控えめな贅沢さは、“Quiet Luxury”と表現するにふさわしい。


羽織るだけで暖かく洒脱な装いが完成

カーディガン897600円、マフラー107800円、パンツ265100円、ソックス71500円、ブーツ201300円、グローブ173800円〈すべてブルネロ クチネリ/ブルネロ クチネリ ジャパンTel:03-5276-8300〉

カーディガン897600円、マフラー107800円、パンツ265100円、ソックス71500円、ブーツ201300円、グローブ173800円〈すべてブルネロ クチネリ/ブルネロ クチネリ ジャパンTel:03-5276-8300〉


カシミアニットに新風を吹き込み、ラグジュアリーニットという分野を築いた立役者であるブルネロ クチネリ。新作のショールカラーカーディガンは、“シネ”と呼ばれるメランジ調と、アンデスの民族柄風パターンを融合。アウターとしての存在感十分な一着に仕上がった。太い糸で編んだローゲージニット特有のボリューム感があるが、カシミア100%ゆえ軽量で抜群に暖かい。ヘリンボーン織りのミリタリーパンツとベストマ
ッチだ。

クラシックを極上の素材と色使いで刷新

セーター249700円、スカーフ49500円、パンツ96800円、靴 参考商品〈すべてラルフ ローレン パープル レーベル/ラルフローレンTel:0120-3274-20〉

セーター249700円、スカーフ49500円、パンツ96800円、靴 参考商品〈すべてラルフ ローレン パープル レーベル/ラルフローレンTel:0120-3274-20〉


トラディショナルかつラグジュアリーなラルフ ローレン パープルレーベルの世界観に、上質なイタリア製のカシミアセーターは欠かせない。英国オックスフォードシャーにある古都アビントンをテーマとする新しいフェアアイルセーターは、伝統的なフェアアイルパターンを再現しながらも、シックで深みのあるカラーリングを採用。カラフルなものが多い昔ながらの品に比べ、大人らしく落ち着いた印象に着こなせるはずだ。またピュアカシミア製ゆえ、肌ざわりや保温性も申し分ない。

メゾンが切り拓くニットウェアの可能性

カーディガン299200円、Tシャツ100100円、パンツ178200円(予定価格)〈すべてルイ・ヴィトン/ルイ・ヴィトン クライアントサービスTel:0120-00-1854〉

カーディガン299200円、Tシャツ100100円、パンツ178200円(予定価格)〈すべてルイ・ヴィトン/ルイ・ヴィトン クライアントサービスTel:0120-00-1854〉


モードを牽引するメゾンの類いまれなクリエイションは、ニットウェアにもなお新しい表現を見出す。ルイ・ヴィトンがLV FALL コレクションに提案するカーディガンは、同ブランドのシグネチャー素材「エピ」からインスパイア。麦の穂をイメージした特徴的な波状の凹凸を、エンボス加工によってメリノウールのハイゲージニットに再現しており、光の当たり加減で立体的に浮かび上がる。これまでのニットにはない、彫刻的な
テクスチャー表現が新鮮だ。左胸のLVシグネチャーもアクセントに。

普遍のアイコンをニットへ投影する技術

セーター281600円、パンツ140800円、スニーカー121000円〈すべてボッテガ・ヴェネタ/ボッテガ・ヴェネタ ジャパンTel:0120-60-1966〉

セーター281600円、パンツ140800円、スニーカー121000円〈すべてボッテガ・ヴェネタ/ボッテガ・ヴェネタ ジャパンTel:0120-60-1966〉


熟練職人がリボン状のレザーを巧みに編み込んだ「イントレチャート」は、ボッテガ・ヴェネタのクラフツマンシップを象徴する普遍のアイコンである。そんなイントレチャートをモチーフに、ニットで表現したウールセーターは、あたかもリボン状のニットを編んでいるかのように立体的な表情。職人の高度なテクニックをうかがわせる。イントレチャートを拡大した人気のアイコンバッグ「カセット」を彷彿させる、控えめながらもコンテンポラリーな魅力を備えたセーターだ。シンプルな着こなしも絵になる。
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direction by Akira Shimada | photographs by Akira Maeda|styling by Makoto Yoshino | hair & make-up by Jun Furukawa|model by Daisuke | text by Yasuhiro Takeishi, Tetsuo Shinoda

この記事は 「Forbes JAPAN 2023年12月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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