CRは、「70mph(約113km/h)の一定速度で高速道路を走行した際、テストした車両の中には、宣伝されている航続距離から最大50マイル(約80km)短かったものもあれば、宣伝された航続距離を超えるものもあり、そのうちの1台は70マイル(約113km)以上も長かった」と述べている。同団体は、このことが消費者にとって大きな問題であると指摘する。なぜなら、ハイブリッド車を含む従来の内燃機関自動車は環境保護庁(EPA)によって市街地と高速道路の燃費を別々に公表することが義務付けられているが、EVは市街地と高速道路を組み合わせた推定に基づく単一の数値を表示しているからだ。
さらに問題を深刻化させているのは、EVは高速道路での効率が低いということだ。これはほとんどの内燃機関自動車とは逆である。したがって、疑うことを知らないドライバーが予期せぬ充電切れに陥る可能性が高くなる。CRの自動車テスト・インサイト担当責任者アレックス・クニゼックは「航続距離は、家から遠く離れていて、信頼できる充電設備が近くにない場合、特に重要です」と語る。「高速道路で充電切れになった場合、車を牽引してもらう必要があり、それは不便で費用もかかることになるでしょう」。
オンライン自動車検索エンジンおよび調査サイト『iSeeCars』でエグゼクティブアナリストを務めるカール・ブラウアーは、「EVの航続距離を決定する変数は、ガソリン車の航続距離を計算する変数と似ていますが、電気自動車の場合は周囲の温度や平均速度がより大きな影響を与えます」と説明する。「顧客を満足させる解決策はEVもガソリン車も同じです。つまり、控えめな数字を公表すること! 自分の車が予想以上に燃費が良かったり、一度の充電でより遠くまで走れたことに不平を言う人はいません。それなのに、一部のEVメーカーは広告に印象的な数字を求め、過度に楽観的な数字を使おうとした結果、ドライバーの失望と不満を招いているのです」。