モビリティ

2023.12.07 13:30

EVの「公称航続距離」を消費者情報誌が検証 80kmも短かった車種も

日下部博一
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最大の嘘つきのひとつはフォードだった。「フォードF-150ライトニングピックアップトラックでは、最も大きな航続距離の差が見られました。バッテリーはわずか270マイル(約435km)で切れてしまいましたが、これはEPA基準の推定値から50マイル(約80km)も短い値です」とCRは指摘する。また、高価なプレミアムラグジュアリーセダンも同様の問題を抱えていた。テストしたルーシッド・エアの航続距離は384マイル(約618km)と宣伝されていたが、それよりも40マイル(約64km)短かった。一方、CRが所有するテスラ・モデルSは、EPA基準の航続距離405マイル(約652km)に対して366マイル(約589km)しか走ることができなかった。バッテリーが切れると家路は遠い。

好ましい結果もあった。「BMWとメルセデス・ベンツの一部の車種は、EPA基準の航続距離を40マイル(約64km)以上上回った」とCRは報告している。「私たちがテストしたリヴィアンR1Tとフォード・マスタングマッハEも、高速道路でEPA基準の公称航続距離を超えました」。同団体はまた、アウディ、ジェネシス、ヒョンデ、キア、レクサス、日産、スバル、フォルクスワーゲンの車両も、いずれもEPAが公表している航続距離の20マイル(約32km)以内に収まっていることを称賛した。

長距離EVを求める消費者は何をすべきか? 「消費者は、オンラインクラブやオーナーフォーラムを活用して、既存のEVドライバーから実際のフィードバックを得るべきです」とブラウアーはいう。「航続距離のメーカー主張を検証するために、EVを標準化されたテストにかけているオンライン媒体もあります。自動車メーカーが発表する航続可能距離の数値は出発点としては良いのですが、消費者自身が公平な情報源からその数値を検証することができれば、購入後に期待できることに、より確信が持てるようになるでしょう」。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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