食&酒

2023.12.06 15:45

掲載数504軒、星付きは183軒 ミシュランガイド東京の変化

二つ星の昇格店も同じく一店。ペルーの風土を表現するレストランとして知られる「MAZ(マス)」が選ばれた。ペルーと日本の美意識を融合した料理を生み出しているシェフのサンティアゴ・フェルナンデスは、「将来的にはマスを、ペルーと日本の生産者や、陶芸家などのアーティストが交流しアイデアを交換できる文化拠点にしたい」と考えているという。
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また、まだ日本のレストランとしては少数派の、ベジタリアンメニューがあらかじめ用意されている店で、アレルギー対応にもできる限り対応する。「直前に言われた場合でも、期待を持って訪れるすべての人に、等しく豊かな食体験を提供したい」とその思いを語った。


クラッシックフレンチの名店が初の一つ星

また、日本のクラッシックフレンチにも、初めて星が輝いた店がある。来年で50周年を迎える老舗フレンチ「レカン」もその一つだ。

8代目料理長、栗田雄平氏は、「新しい技法などを適用し、今の時代に合わせたフランス料理へと日々変えていっている。そういう意味では、クラシックでもあり、今の時代の料理とも言えるはず。完璧な火入れの肉の断面は美しい。まずは美しさ、ではなく、美味しさを追求した先に自然な美しさがある料理を追求したい」と言う。
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「モノリス」も初めての星に輝いた。石井剛シェフは「開店から14年、クラッシックフレンチには星がつかないと噂された時期もありましたが、信念を曲げすに皿の中のクオリティを磨き続けてきました。25歳で単身フランスに渡り、ミシュランガイドを片手に星付きの店で修業してきました。星のために働いているわけではないけれど、ミシュランの星は、フランス料理人にとっては特に思い入れの深いもの。僕の14年間が報われた瞬間です」と語った。

また、新たなグリーンスター店として、循環型農業を行う生産者との連携やジビエの使用などを行っている東京の「Nol(ノル)」が選ばれた。

ミシュランガイド、今後の展開

自動車の普及に伴い、人々が旅するようになった1900年に創刊されたミシュランガイドにはもともとホテルも掲載されていた。2024年には、ある種の原点回帰として、ホテルを“鍵の数”で評価するアジア初の「ミシュランキー」の発表する予定だ。

ミシュランタイヤは、2050年までにタイヤを100%持続可能にすることを目標にしており、「環境にやさしい旅の体験」に力を入れている。同社の須藤元社長は、「環境のことを考えながら、美味しい食を、これからも楽しんでいける、バランスの取れた世の中の実現に向けたアイデアを提供していきたい。人・地球・利益の三方良しのモビリティ事業を目指す」と語った。

取材・文・写真 仲山今日子

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