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2023.12.26

テクノロジーで農業の「壁」を溶かす エムスクエア・ラボの見据える農と地域の未来

日本全国で加速する農業とテクノロジーの融合のなかで、地域内での新しい野菜の流通サービス「やさいバス」や、マルチワークを可能にする「Mobile Mover(モバイルムーバー)」などICTやロボット技術を通して農業と社会機能の新たな接続を試みるエムスクエア・ラボ。代表取締役の加藤百合子は、テクノロジーを介して「ユーザーとデベロッパーの壁を溶かす」と述べる。

エムスクエア・ラボの現在地、事業立ち上げの経緯や取り組みなどを振り返りつつ、加藤が理想とする「壁が解けた社会」を浮き彫りにする。また、デル・テクノロジーズの製品やプロジェクトが同社の事業をどのように支えているかについても聞いた。

里山風景が広がる静岡県菊川市の一角に、エムスクエア・ラボが子会社を通じて運営する実験農場がある。ニラを栽培するハウス内では、雑草刈りをするスタッフの脇でコンテナをのせた台車型のロボットが軽やかに移動しながら作業の手助けをする。

ロボットの名は「モバイルムーバー」。高齢化に伴い農業の担い手が急激に減少する地域課題に取り組むため、同社とスズキが2016年から共同開発した。スズキの高度な電動車椅子の技術とエムスクエア・ラボのソフトウエアを掛け合わせ、22年夏以降、農家におけるモニター利用が始まっている。

「持続可能な農業を次世代へつなぐために私たちが目指しているのが、無理なく、楽しくできる農業です。モバイルムーバーは見た目はシンプルですが、荷物の運搬や乗用だけでなく、水撒きや防除など幅広く応用することが可能なんですよ」と同社代表取締役の加藤百合子は顔をほころばせる。
ニラを栽培するハウス内を進む「モバイルムーバー」

ニラを栽培するハウス内を進む「モバイルムーバー」 その加藤は、生産者と購買者をつなぐ共同集配サービス「やさいバス」の開発者でもある。同サービスは今や静岡県内や隣接する愛知県、北海道や広島県などにも広がり、実証・検討中も含めると20都道府県ほどで展開中だ。エムスクエア・ラボは、このやさいバスの事業を通して農業に関わるさまざまな人々との信頼を紡ぎ、大手企業とも連携を図りながら、農業の生産性向上に貢献する。その仕組みは業界全体のエコシステムを大きく塗り替える可能性を秘めている。

部分的な課題解決からスタート

農業スタートアップとしてエムスクエア・ラボが創業したのは09年。地域に溶け込む流通サービスやロボット技術を実装するまでの道のりは決して平坦ではなかった。

加藤は、東大農学部工学科で農業機械の研究に没頭し、英国留学後には宇宙ステーションに植物工場をつくるNASAのプロジェクトにも参画した「工学女子」。研究テーマは食糧危機に備えた人工的な食糧生産であり、農場に出ることは一度もなかったという。

しかし、夫の拠点である静岡県に移住して二人の娘の母親となったことをきっかけに、あらためて食と農業の未来を見つめ直した。「親として、持続可能な社会を次世代に残したい」という想いを強くした加藤は、社名にその想いを込めた「エムスクエア・ラボ」を立ち上げる。社名の由来はM2ラボ、「MAMAの研究所」から来ているそうだ。

初期の挑戦には農業機械の貸し借りサイト運営も含まれていたが、思ったほど反響は得られなかったという。その後、ほどなくして静岡県の農業情報サイトの事業を受託。事業を通して農家や小売店、飲食店から生の声を聞くことで、農業現場に根強くはびこっていた流通課題と直面することになる。
加藤百合子 エムスクエア・ラボ 代表取締役

加藤百合子 エムスクエア・ラボ 代表取締役

「日本の農産物流通は、産地から中央市場に農作物を集めて再分配するという仕組みです。この仕組みのおかげで全国津々浦々に野菜が届くわけですが、一方で、産地から出荷したものが4、5日後に地元のスーパーに並ぶという環流も起こっています。農家さんはというと、思うような価格で売れない、自分のつくった野菜の評価が返ってこないのでやる気が出ない。農家がしっかり稼げる状態をつくらない限りは機械への投資はできませんので、まずは流通改革から手をつけようと決めました」

そうして生産者と購買者をつなぐ「ベジプロバイダー」のサービスを事業化すると、今度は、直販によって利益率が上がる反面、配送コストがかかりすぎるという新たな課題が浮上。突破口は必ずあると信じてパズルを解き、導き出したのが、地域内の点と点を一筆書きに結ぶ共同配送のスタイルだった。それが、「誰もがおいしい食を当たり前に手に入れられる社会を目指す」ことを目的に、17年に事業化した新しい流通サービス「やさいバス」だ。

「仕組みは、ECと地域共同配送機能が一体となったWEBシステムです。購買者から注文を受けた農家が最寄りのバス停に野菜を持ち込み、その拠点を冷蔵トラックが巡回し、購買者もまた最寄りのバス停まで出向き野菜を受け取る。運ぶのが野菜だから、やさいバス、なんですね。

地産地消を基本に共同配送することで物流のコストが1/3に抑制できるのがECとの大きな違いですが、うれしい誤算もありました。これまで野菜を売ったことのない地方銀行や鉄道会社、さらには飲食店の方々がバス停の設置場所を提供してくださって、そこを拠点に地域住民の交流が生まれたのです。地域活性化には地域コミュニティの形成が欠かせません。やさいバスがその一助となれば嬉しいですね」

流通、物流、作業現場における部分的な課題をスモールスタートで解決し、ある程度全体を見通せる段階になった今、「エムスクエア・ラボは事業全体を統合する段階に入った」と加藤は分析する。具体的には事業を作業系、管理系、地域系に分類・整理し、特許出願中の「バリューサイクルコード」体系を介して、OSとして全体をつなげる仕組みをつくり上げる計画だ。

「私はこんがらがっている課題が大好きで、こんがらがっているほどきれいに解きたくなる性分。まずはできるところから着手し、それを糸口に発展させていく」

加藤のもち前の分析力と開発魂が、食と農業の課題を解きほぐし、着実に進化させている。

「半正解」と「コミュニティ」で現場をまわし続ける

農業における課題解決をスピード感をもって推進していくためには、ユーザーとデベロッパーの間にある、組織や立場、知識の違いといった「壁」を溶かすことが大事だと加藤は話す。そのためエムスクエア・ラボでは、モノやサービスをつくる際に「ずっと半正解でいよう」をテーマに掲げているという。

半正解とは、つまり半製品、完成品を出さないということだ。

完成品を出そうとするといつまでたっても完成しないのが農業。しかも開発費が嵩むと農家が購入できなくなる。できる限り機能を削ぎ落とし、適正なレベルを見極めたら半完成品を出して現場で使ってもらい、多様な意見を集約しながら、必要最小限の改善を加えていく。おそらくその方法が、事業の推進力を高めるための正しいやり方なのではないかと強調する。

「早く現場に出すのは、日本はまだ苦手ですね。メーカーも99.99%の精度を目指す世界ですから、レベルを見極めるのが私たちのいちばんの役割になるかと思います。そして前へ進むためには半完成品であることを常に使い手に情報開示し、コミュニケーションの深化に努めることがとても重要。実際、ここを改善してほしいという意見は現場からたくさん出てくるのですが、できるところは工夫して使ってもらいます。システム化すると仕組みがそこで固定化され、同時に人間の思考回路も固定化され、柔軟性が失われる可能性もあります。その点を踏まえて意見交換をすれば、課題の多くは地域で何とかなるものです。

そういう意味では、『一緒につくろう』ということですね。ユーザーとデベロッパーが組織を超え、同じ目標に向かってチームを組む。それが壁を溶かすことにつながっていくのだと思います」
エムスクエア・ラボの本社オフィス内に設置されたデルの製品

エムスクエア・ラボの本社オフィス内に設置されたデルの製品


事業を支えるデル・テクノロジーズ製品とデル女性起業家ネットワークの支援

エムスクエア・ラボの事業を裏で支えるのが、パソコンやサーバー、モニターなどのデルの製品群だ。研究者時代からデルを愛用していたという加藤は、「スペックをひとつひとつ、好きなグラフィックカードも含めてカスタマイズできるのが大きいですね。それでいて値段も手ごろで、納期もすごく早い」とその魅力を語る。

「会議室で使用している大型の曲面のスクリーンも、エクセルのシートを2つ並べてもよく見えるため、分析がはかどる。弊社のスタッフにも好評です」

また加藤は、デル・テクノロジーズが女性起業家の支援を目的に展開する「デル女性起業家ネットワーク(DWEN)」のメンバーの一員として、「DWEN Dream Tech ビジネスコンテスト 2022」にも参加。やさいバスの仕組みが評価され、見事入賞者3人の一人に選ばれた。

「コンテストで知り合った、フードロス問題を扱う女性起業家とはその後も交流を続け、うまくいけば一緒に事業をやれることになるかもしれません。そのような貴重なご縁をいただけるのもデル女性起業家ネットワークの魅力です。女性がもっと自然に活躍できる社会になるために、このコンテストが毎年恒例のイベントになればと期待しています」

「ゴールを100とすると今はまだ15ぐらい」と自らの事業を俯瞰する加藤。テクノロジーを社会に溶け込ませながら、残り85の世界に光を照らす挑戦が続いていく。

加藤百合子(かとう・ゆりこ)◎1974年、千葉県生まれ。東京大学、英国クランフィールド大学を経て、NASAのプロジェクトに参画。帰国後、キヤノン入社。2009年エムスクエア・ラボを設立。専門分野は、地域事業開発、農業ロボット、数値解析。2020年6月には、エムスクエア・ラボにも出資するスズキの社外取締役に就任した。

Dell Technologiesのスモール・ビジネス、スタートアップ支援プログラム

デル女性起業家ネットワーク(DWEN: Dell Women Entrepreneur Network)

デル・テクノロジーズが女性起業家の支援を目的に実施しているグローバルなプロジェクト。ファイナンス・マーケティングの知見の共有や、人的ネットワークの提供、そしてIT活用に関する支援などを行っている。2022年1月時点で全世界で約8万人のメンバーが参加中。
https://dwen.com/ja/

デル テクノロジーズ アドバイザー

専任IT担当者の確保が難しい小規模企業を中心に、ITに関する顧客の悩みや要望をヒアリング、課題の整理と解決策の提案を行うのがデル テクノロジーズ アドバイザーの役割だ。「製品を売って終わりではない」そうした強い意志とともに、さまざまなITの専門領域に特化したチームが、顧客企業に対してオーダーメイドでソリューションを提供し、支援する。有形無形のサポートで、ビジネスを成功に導く仕組みが、ここにある。

デル起業家支援プログラム

2023年4月から始まった、創業10年未満のスタートアップ企業を支援する無償のプログラムが「デル起業家支援プログラム」だ。その内容は、以下の4つである。

①経験豊富なアドバイザー
スタートアップ企業が直面する課題やニーズに対して、特別なトレーニングを積んだ専任のテクノロジー アドバイザーが、ユーザーに寄り添い、ビジネスの状況を理解し、最適なアドバイスを提供する。
②よりスマートに、より迅速に成長
パソコンからインフラを支えるハードウェア、各種サービスまで、ビジネスの成長に応じて柔軟に拡張できる最適なテクノロジー ソリューションを提案する。
③投資の効率化
スタートアップ企業が限られたリソースを最大限有効活用できるよう、メンバー限定の特別割引や柔軟なファイナンス ソリューションの提供でサポートする。
④ネットワークの拡大
メンバー限定のコミュニティーをはじめ、インキュベーター、アクセラレーターなどとのネットワーキングの機会を活用できる場を提供する。

デル起業家支援プログラム
https://www.dell.com/ja-jp/lp/dell-for-startups




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Promoted by デル・テクノロジーズ / text by Sei Igarashi / photographs by Ota Takao / edited by by Akio Takashiro

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