健康

2023.12.11 10:45

免疫対策、医師が心がける3つのポイント

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感染症の季節だ。マスク、手洗い、うがいといった基本的な予防策をコロナ禍から継続している人も多いだろう。同時に免疫力も大切だ。その方法はすでに耳にタコができるほど聞かされているだろうが、なかなか正解はみつけにくい。そこで参考になるのが、現役医師の意見。内科医の久住英二氏は、免疫対策の3つのポイントをあげている。

大正製薬が全国の男女1000人を対象に行ったアンケート調査では、昨年よりも免疫対策の意識が高くなったという人が全体で4割近くにのぼったものの、コロナ5類移行で気が緩んだか、意識が低くなった人も全体で3割近い。いくらこっちが気をつけていても、感染するリスクは依然と高い。年末年始、人混みにでかけたり、宴会に出る機会が増えることを思えば、免疫力はバッチリ高めておきたいものだ。そこで、内科医で血液専門医の久住英二氏は、免疫力を高める3つのポイントを解説している。それは、腸内環境、血液とリンパの流れ、自律神経だ。

腸内環境は免疫の要。食べたものが通過する消化管は、体の中にあるが外界と接する部分であるため免疫機能が集結している。小腸には免疫細胞が集まる免疫器官「バイエル板」があり、大腸は腸内フローラが外敵に対応する。なので、腸内環境を整えることは免疫対策の基本だ。

血液とリンパの流れをよくすると、リンパ球などの免疫細胞の働きが向上する。軽い運動や入浴で体を温めると、血液とリンパの流れがよくなるほか、体温上昇で免疫細胞が活性化する。よくないのはタバコ。タバコは細胞を酸化させるので免疫細胞の働きを抑制し、血管を収縮させ血行を悪くする。また煙の一酸化炭素が血液の酸素運搬能力を低下させてしまうので要注意だ。

自律神経は免疫細胞のコントロール役。睡眠不足などで体内時計が乱れると、自律神経の機能が低下する。そこで有効なのが規則的な睡眠と適度な運動。ジョギングなら会話ができる程度の速度で30分以内がお勧め。アルコールは睡眠の質を低下させるほか、アルコールの分解に免疫細胞にとって重要なタウリンが消費されてしまうので気をつけたい。精神的ストレスで交感神経優位の状態が続くと、血管が収縮し、免疫細胞の働きが低下する。意識してリラックスする時間を作ることが大切だ。

また久住氏は、免疫対策に有効な栄養素として次のものをあげている。腸内フローラを育てるβ-グルカン(大麦やキノコに含まれる)、免疫細胞を活性化させるタウリン(イカ、タコ、牡蠣など)、細胞のエネルギー源となるビタミンB群とタンパク質(魚や肉)、そして、ほぼすべての免疫細胞を生み出す造血細胞を持つ骨髄を強化するために、骨を丈夫にするカルシウムとビタミンD(キクラゲや鮭)と日光浴とのことだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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