スタートアップ

2023.12.07 14:30

ビズ・ストーンがForbes JAPANに語った旧Twitterへの想いとビジネス哲学とは?

時代と文化を創造したTwitterからXへの想い

清水:今年になって、イーロン・マスクがTwitterを買収してXと名称を変えて、世界的に衝撃が走りましたが、個人的にどう感じましたか?

ビズ:Twitterを私がスタートした時、どこへでも自由に飛んでいける「鳥」からブランディングしました。Twitterには、「鳥の鳴き声」と「笑い声」の2つの意味があります。このコンセプトは、自分でも気に入っていて、Twitterというネーミングに、とても愛着を持っていました。Twitterユーザーから「ツイートする」とアップデートした言い方が生まれたのは、作り手とユーザーが一体化した現象で、嬉しかったですね。ところが、私がTwitter社を離れた間に、75%のスタッフが突然いなくなったことが、社内の士気に影響が及んだかもしれません。Xという新たな方向性で、アプリケーションを追加するのは構いません。でも、公共の会話に貢献し続けることだけを願っています。

清水:Twitterは、完璧なコンセプトとブランディングだったと思っていました。

ビズ:私は、ユーモラスなアイディアが好きだったりもします(笑)。例えば、アプリの名称を「porpoise(ポーパス)」としましょう。ポーパスは、可愛い動物で目的を意味する「purpose(パーパス)」とも韻を踏んでいますよね。動物のポーパスを調べ始めると、忠実で遊び心がある、など出てきて、「これをネーミングにしよう!」と思うかもしれません。

また、シリコンバレーにあるベンチャーキャピタル会社のリ・ブランディングを手伝った時のこと。彼らには、ロゴがまだなかったが「親しみやすくて忠実で、いつもあなたのために戦います」という思いだけを聞いていました。すると私には「犬」が思い浮かんだんですね。だから私は、「あなたたちのロゴは、犬であるべきだね」と伝えたら、彼らは、そのアイデアをとても喜んでくれたのです。

正直、マスク氏とは個人的なつながりもないので、コメントすべきではないのかもしれないけれど、「X」には、何ら意味のあるメッセージや、日常の動作とのつながり、愛着などがなく、「何でそうなっちゃったの?」という残念な気持ちです。
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文=中村麻美

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