ビズ・ストーンがForbes JAPANに語った旧Twitterへの想いとビジネス哲学とは?

2023年、「X」となってしまった元々のTwitter共同創業者であるビズ・ストーン氏との対談が実現しました。数年ぶりの再会で、気心も知れているビズと繰り広げられた唯一無二のトークは、他では決して本音を語られないあの話題にも迫りました。ここだけで披露してくれた、天才経営者の近況です。

ビズが再びTwitter社に戻ってから取り組んだ3つの改革

ビズとは、実に6年ぶりの再会でした。彼と初めて会った時から、なぜか旧来の友人のような親しさを覚えたものです。私が推奨している「絆徳経営」の考え方を誠実に遂行しているスピリッツとビジネスセンスと人望を持つ彼とは、長年にわたって友好をあたためてきました。そしてこの度、10月に渡米して、サンフランシスコの風光明媚なホテル「カーサマデロ」で行われた対談について、共有させていただきます。



ビズ・ストーン(以下、ビズ):清水さん、お久しぶりです!

清水康一朗(以下、清水):本当に! 2017年12月にラーニングエッジのセミナーで日本にいらしてから、6年ぶりですね。その間、世界を取り巻く情勢が大きく変わりました。最近のビズの活動をお話いただけますか。

ビズ:色々な出来事がめまぐるしく起こりました。とりわけ、以前立ち上げたTwitter社で、また働かないか、とオファーを受けたことが大きな変化でしょうか。2017年のことでした。

清水:その時のことは、鮮明に記憶しています。このニュースを受けて、日本のTwitterメンバーは、すごい熱気に包まれていたので。みんなビズのファンですから。

ビズ:それは、嬉しいなぁ。当時のTwitter社には、多くの社内問題を抱えていて、それらを解決するために私はTwitter社に戻り、2021年に再び離れたのです。その後、投資ファンド「Future Positive」を始めました。一般的に、投資というとお金を稼ぐため、という認識が高いですが、私はただお金を稼ぐことには、全く興味がありません。なので、社会によい影響を与え、よい会社に投資することで、社会が循環していくことをコンセプトとした会社を作ったのです。ところが、正直なところ、プロの投資家に転向してすぐに、やめたくなってしまう自分がいました。それまでは、世の中に何かを生み出す側。でも、既にあるものに対してお金を動かす投資が、自分自身に合っていないんだ、ということに気がついたからです。それからは、スタートアップにアドバイスを求められたり、取締役会に出席したりしていたら、とても忙しくなってしまったものです。

清水:いまは、どんな感じですか?

ビズ:毎日創造的なメンバーと働いているので、とにかく楽しい! これは、パンデミックの時、遮断された世界を体験したことが大きいかもしれません。だから、いまは、すごく幸せを感じています。
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文=中村麻美

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