モビリティ

2023.12.11 11:15

空飛ぶクレーンが工事現場の景色を変える

プレスリリースより

重量物を載せて飛行する空飛ぶクレーンの試験飛行が行われた。試験機は幅およそ3メートルの大型電動ドローンで、80キログラムの荷物を載せて7分間にわたり空中を移動した。

日本とアメリカに本拠を置き、空飛ぶバイクやドローンの研究開発を行うワールドスキャンプロジェクト(WSP)は、未来の建設インフラ開発の一環として空飛ぶクレーン「スカイクレーン」を開発している。スカイクレーンは、通常のクレーンが使えない、またはアームが届かない場所に荷物を運ぶことができ、移動が素早く、人による高所作業の危険を低減できるなどの利点がある。

WSPが想定するスカイクレーンの活用事例には、高層ビルや高速道路建設現場での地上の制約を受けない効率的な物資の運搬、貨物船の荷積作業、鉄塔メンテナンスの資材運搬、離島や過疎地への荷物運搬、被災地への支援物資運搬などがある。

今回の試験飛行に使用された機体は、幅と奥行きが2.8メートル、高さが1.1メートル、重量は70キログラムという大型のもので、100ボルトのバッテリーを搭載し、最大推力は300重量キログラムとなっている。80キログラムの荷物を載せて地上1メートルの高度を保ち、7分間にわたり、前後左右5〜7メートルの距離を移動した。

現在、日本を含む世界の企業が積載量数百キログラム級のドローンの開発や試験を行っている。なかでもスカイクレーンは、重量物の運搬に特化したドローンとして工事現場での活躍が期待される。将来、工事現場では、あの象徴的存在のクレーンが姿を消して、資材を運ぶ黄色いドローンが飛びまわるようになるのだろうか。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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