起業家

2023.12.08 14:00

医療の情報格差解消で誰ひとり取り残さない世界へ

Forbes JAPAN編集部
山田:私たちが目指しているのは、誰も取り残さない医療を実現すること。難病や希少疾患といわれる専門性が高い疾患のある患者さんは人口の5%ほどいるといわれていますが、医療側では専門医は少ないのが現状です。全国で3人しか専門医がいないようなニッチな疾患がいくつもある。現場で対応に悩んでいる先生と専門の先生をつなぐ「Eコンサル」を広げていきたい。

河合:組織づくりの課題を乗り越えて、この2年間で事業に集中できる環境をつくったのは、想定以上の進展です。すでにMediiがファイザーなどの外資系大手製薬会社と協業しているのは、サービスの価値が理解されているからだと思います。

山田:難病や希少疾患の患者さんが正しく診断されていけば、これまであまり使われてこなかった薬剤を適切に処方して治療につなげられる。中長期的には、この仕組みを海外にも届けていきたいですし、薬剤開発にも目を向けていきたい。製薬会社側では、患者さんがなかなか見つからないから治験が行えず、新たに開発した薬剤を上市できないという課題もあるのです。現場の先生たちがより活躍できる舞台を整え、患者さんたちに最高の医療を施してもらいたい。そんな世界をつくっていけると思うとワクワクします。

河合:一緒につくっていきましょう。これからの山田さんの進化もすごく楽しみですし、伴走できることに僕もワクワクしています。


かわい・そういちろう◎ビズリーチの立ち上げ期などを経て、ラクスルの創業メンバーとして参画。人事マネージャーとして活躍した後、2017年にReBoost創業。LP(有限責任組合員)出資を含め国内外30社超のエンジェル出資実績をもつ。

やまだ・ひろき◎和歌山県立医科大学卒業後、堺市立総合医療センターでの研修を経て聖路加国際病院、慶應義塾大学病院で勤務。2020年2月、Mediiを創業。日本リウマチ学会専門医・指導医として臨床現場も支えている。

文=眞鍋 武 写真=平岩 享

この記事は 「Forbes JAPAN 2023年12月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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