OMBのシャランダ・ヤング局長は、共和党のマイク・ジョンソン下院議長を含む議会指導部に宛てた書簡で、現状のままでは、米国は年内にウクライナに武器や装備を提供するための資金を使い果たすことになると述べた。
ヤング局長によると、米国はこれまで1110億ドル(約16.3兆円)の追加資金をウクライナ支援に提供しており、11月中旬の時点で国防総省はウクライナ向けの623億ドル(約9.2兆円)の資金のうちの97%を使用し、国務省はウクライナ向けの軍事支援47億ドル(約7000億円)をすべて使ったという。
さらに、1110億ドルのうち経済支援に向けた約272億ドル(約4兆円)や、人道支援のための100億ドル(約1.5兆円)の予算もすでに使い切ったと述べ、「ウクライナ経済が崩壊すれば、彼らは戦い続けることが不可能になる」と付け加えた。
ヤング局長は、米国がウクライナの支援を継続することで、「NATOを巻き込み、米軍を危険にさらす可能性のある紛争の拡大を防ぎ、我々全員をより安全にすることができる」と述べている。
ジョー・バイデン大統領は10月、イスラエルや台湾、インド太平洋地域の同盟国、米国とメキシコ国境の国境警備隊への援助も含む総額1050億ドル(約15.5兆円)の緊急予算の一部として、ウクライナに向けた614億ドル(約9兆円)の支援を求めていた。
下院で多数派を握る共和党内部では、ウクライナへの追加支援を承認する条件として、米メキシコ国境における反移民政策の強化を求める声が高まっている。しかし、共和党のジョンソン下院議長は11月27日、議会がイスラエルとウクライナへの追加援助を年内に可決することを「確信しており、楽観視している」と述べた。
民主党のチャック・シューマー上院院内総務は先日、バイデン政権の追加援助案を早ければ今週中にも採決に持ち込むつもりだと議員らに語った。米下院は2日、イスラエルに対する143億ドル(約2.1兆円)の支援策を可決したが、民主党側は、同法案にウクライナ支援が盛り込まれていないことや、内国歳入庁の予算が削減されるとして反対している。
(forbes.com 原文)