世界で最も時価総額が高い暗号資産ビットコインの価格は、4日未明に4万1943ドル(約620万円)まで急騰し、19カ月ぶりの高値をつけた。
過去24時間でビットコインは6.1%以上も上昇しており、年初からの上昇幅は150%を超えている。時価総額が2位の暗号資産イーサリアムも過去24時間で4.1%以上上昇し、1年半以上ぶりに2200ドル(約33万円)の大台を超えた。
この急騰は、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに終止符を打ち、新年には利下げが実施される可能性が高いとの見方が広がるなかで起きている。さらに、10月に世界最大の資産運用会社ブラックロックのiシェアーズがビットコインETFの上場申請を発表した後、当局が近くビットコインETFを承認するとの見方が高まったことも上昇に拍車をかけている。
今回の急騰は、ビットコイン2022年のいわゆる「暗号資産の冬」を象徴するTerraUSDとLunaコインの崩壊以降の弱気相場を抜け出したことを示すものといえる。アルゴリズム型のステーブルコインのTerraUSDとその関連トークンのLunaは2022年5月に崩壊し、約400億ドル(約6兆円)の価値が市場から消えた。これに続き、シンガポールを拠点とする暗号ヘッジファンドのスリー・アローズ・キャピタル(3AC)が債務超過に陥り、レンディング(貸し付け)業者のセルシウスが破産した。
現物ビットコインのETFが承認されれば、より多くの投資家が、変動の激しい暗号資産を直接保有することなく、ビットコインに投資できるようになる。ブラックロック以外にも、フィデリティやアーク・インベスト、インベスコなどが現物ビットコインETFを申請している。
これらのETFの承認が間近に迫っているとの期待は、8月に連邦控訴裁判所が、暗号資産投資大手のグレースケール・インベストメンツがビットコイン信託をETFに転換しようとした申請を、米証券取引委員会(SEC)が却下したことについて、再考すべきだとの判決を出したことで強まった。
(forbes.com 原文)