映画

2023.12.05 17:00

不遇の映画『マーベルズ』 興収はMCU史上最低となることが確定

安井克至
マーベルは、本作に非常に厳しい評価を下している。マーベルの親会社であるディズニーのボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)は、撮影現場での「幹部による監督」が不十分だったと発言。本作でメガホンを取ったニア・ダコスタは、監督としての発言や行動に関しさまざまな中傷を受けている(オープニング週末興収は黒人女性が監督した映画としては過去最高となったにもかかわらず、だ)。

同作は批評家からの評価は他の多くの作品よりも低かったが、批評家は最近、ほとんどすべてのMCU映画に低評価を下している(『クアントマニア』の評価はさらに低かった)。また、今回は一般から低評価のレビューが殺到することはなく、ファンからはおおむね好評のようだ。

以前の記事でも書いたが、本作の失敗の原因は、タイミングの悪さにあった。「スーパーヒーロー疲れ」や、MCUの方向性の欠如、これから『デッドプール3』などの期待作が公開される中での公開という悪条件が重なってしまったのだ。(他の主要作品の製作が遅れているため、『デッドプール3』は来年公開される唯一のMCU映画となる)

『マーベルズ』はさまざまな最低記録を樹立してしまったが、それに値する出来だったとは私は思わない。他のMCU映画でもっとひどい作品はたくさんあるし、3~4年前に公開されていればこの3倍くらいの興収が稼げていたのではないだろうか。運が悪かったのだが、その責任をめぐる非難合戦にディズニー自身も参加するありさまは、悲しい光景だ。

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映画『マーベルズ』が大コケ、あらゆる面でMCU史上最低の成績に


forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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