映画

2023.12.05

不遇の映画『マーベルズ』 興収はMCU史上最低となることが確定

Sarunyu L / Shutterstock.com

この結果は避けられなかった。マーベルの映画・ドラマ作品群「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」最新作となる映画『マーベルズ』は、オープニング週末の興行収入と公開2週目の興収下落率がともにMCU史上最低となっていたが、最終的な興行成績も歴代MCU映画で最低となることが確定した。

『マーベルズ』の劇場公開はまだ終わっていないが、ここからの興収の伸びはほぼ期待できない。米誌バラエティによると、世界興収は1億9700万ドル(約290億円)にとどまる見通しで、運が良ければ2億ドルに到達する可能性もある。以下は、歴代MCU映画の興収ワースト10作品だ。

・アイアンマン(5億8500万ドル)
・アントマン(5億1900万ドル)
・アントマン&ワスプ:クアントマニア(4億7600万ドル)
・マイティ・ソー(4億4900万ドル)
・シャン・チー/テン・リングスの伝説(4億3200万ドル)
・エターナルズ(4億200万ドル)
・ブラック・ウィドウ(3億7900万ドル)
・キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(3億7000万ドル)
・インクレディブル・ハルク(2億6400万ドル)
・マーベルズ(1億9700万ドル)

ここからは、いくつかの傾向が見て取れる。『アイアンマン』『マイティ・ソー』『キャプテン・アメリカ』などは、MCUが本格的に始動する前に、主役となるヒーローたちが最初に登場した作品だ。(『インクレディブル・ハルク』は厳密にはMCUの一部ではあるものの、実際には独立した作品なので、ワースト2位となったのは驚きではない)

残りの半分はというと、『アベンジャーズ/エンドゲーム』以降の作品ばかりで、その中には『シャン・チー』のような良作もあれば、『クアントマニア』のような駄作もある。しかし、失敗作とこき下ろされた『エターナルズ』でもこの10作の中では中間に位置しており、『マーベルズ』の興収はその半分となっている。11億ドルを稼いだ『キャプテン・マーベル』の続編にしては、著しい失速だ。
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翻訳・編集=遠藤宗生

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