アウトバウンド展開 8カ国14地域でADDress拠点を
また、戦略発表会では、来春からアジアとアメリカ、ヨーロッパにもADDress拠点を広げる海外展開も発表した。海外在住日本人と海外を訪れる日本人をマッチングする「ロコタビ」と提携し、海外在住の日本人が住む家の空き部屋を、日本国内の会員が利用できるサービスを予定。佐別当も「海外戦略と言っても、外国人向けサービスではなく、日本人のアウトバウンドのサービス。日本に住む方々が海外に行く時に日本人の家に泊まれると言うサービスを提供する」と説明した。
すでにアメリカのハワイ・オアフ島、イギリスのサザンプトンやノリッジ、アシュフォード、イタリアのローマやミラノ、ドイツのミュンヘン、台湾の台北、オーストラリアのメルボルンやアデレードなど、8カ国14地域での展開が決定。今後も、UAE、アイルランド、イスラエル、イラン、インド、インドネシア、エジプト、エストニア、オランダ、カザフスタン、カナダ、コスタリカ、ザンビア、ジャマイカなど、30か国を展開候補としている。
「人が人を惹きつける」「地元住民と自然につながる」
戦略発表会の後半では「地域の日常を価値にする」をテーマに、多拠点コミュニティトークセッションも実施。佐別当とともに、鶴巻温泉A邸の家守である山口修平と静岡県静岡市用宗の街守である星野晴香、ADDress会員の増田晴香が登壇し、それぞれの立場からADDressの魅力や利用法などを語り合った。山口は「『今まで電車で鶴巻を通過していたがADDressの拠点があったから訪れた』という方々が多く、ADDressのおかげで鶴巻の良さを多くの方に知ってもらえることができて、ありがたい」とコメント。
「住んでいる会員はユニークな方々が多く、そういった会員に会いに行きたいと訪れてきてくれる方々もいます。人が人を惹きつけているとも言えそう」と、コミュニティの強みにも言及した。
星野は東京生まれ東京育ちながら、現在は静岡県静岡市用宗に地域おこし協力隊として移住。「はじめの一歩を全てADDressに提供してもらっていると感じる。地域おこし協力隊は、地元住民との関わりが持てずに馴染めないといった課題もあったが、ADDressの物件に住んでいるだけで、日本全国から多くの方が来て、地元住民とも自然と繋がれた」と、サービスへの感謝を口にした。
また、増田はADDress を利用し、1年9カ月で全国50カ所以上の拠点を巡ったという。「初めは全国を転々とする旅暮らしのつもりだったものの、気づいたら地域ごとの日常に着目する日々になった。
会員や家守の方々との交流を通して、土地にも住み慣れ、家族に等しいような関係性も作れる魅力にハマっていった」と口にする。「最初は観光メインだったが、それぞれの土地で1週間から2週間にわたって暮らすようになった」という結果、現在は、ADDressをきっかけに静岡県の川根本町に移住を決めたという。
「好きな時に、好きな場所で、好きな暮らしを」をテーマとするADDress。佐別当は戦略発表会の最後に、「コミュニティプランは1年以内に1万人の会員を目標に掲げている。海外展開については、予想以上に日本人を受け入れたい日本人が世界中にいると気づいた。1年間で世界中に数百件の拠点を展開できるかもしれない」と、さらなる可能性について語った。
日本発の「多拠点コミュニティ」に集う人々が、これからのローカルの未来を豊かにしていくだろう。
▶︎佐別当は、スモール・ジャイアンツ イノベーターとして活動中