宇宙

2023.12.04 15:00

世界各地で「低緯度オーロラ」を観測、北海道でも20年ぶり

Photo by Sanka Vidanagama/NurPhoto via Getty Images

先週発生した3つの磁気嵐の影響によって、北半球の低緯度地帯で20年ぶりのオーロラが12月1日、2日に観測された。

ジャパンタイムズによると、北海道で赤色のオーロラが肉眼で観測され、それは2003年10月以来のことだったという。

11月26日、太陽フレアによってコロナ質量噴出(CME)が3回起きた後、太陽物理学者らは大規模なオーロラの発生を予測した。

CMEは、太陽から放出された磁場と荷電粒子の流れで、最速で秒速3000kmで宇宙に向かって放出される。

3つのCMEはすべて「Earth strike zone」(地球を直撃する領域)で発生し、荷電粒子の流れは珍しい「ハロー型CME」となって地球に向かった。CMEが太陽風として地球に到達するまでには数日かかるが、荷電粒子は地球に到達する際に地球地場の磁力線によって加速され、酸素と窒素を励起して緑色と赤色に発光する。

その結果、起きる磁気嵐は太陽風が強いほど強い光を放ち、より低緯度まで到達する。

通常オーロラは、北極圏と南極圏周辺の地域で見られる。しかし、太陽活動が活発なときは、より低緯度でも見ることができる。

米国の中西部、スコットランド、ウェールズ、日本などの低緯度で北極光(北極付近で見られるオーロラ)が見られたのと同じく、ニュージーランド、タスマニアおよびオーストラリア南部では南極光が見られた。

しかしながら最も華麗なオーロラの景色は、やはり北極圏周辺地域のものでありアラスカ、カナダ北部、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドなどでのみ見ることができる。

電子、陽子およびヘリウム原子核からなる流れである太陽風は、太陽の最も外側の大気であるコロナの中で、低密度プラズマからなる比較的低温で暗く見える領域であるコロナホールから放出される。

現在太陽は第25太陽周期のピークに近づいていて、前回の太陽周期よりもずっと強いことがわかっている。1回の太陽周期は約11年続く。

宇宙天気予報センター(SWPC)は今年10月、現在の太陽周期の予測を更新し、太陽活動が最も活発になる「極大期」の到達を2024年1月~10月とした。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事