ヘルスケア

2023.12.04 09:30

テキサス州がファイザーを提訴 「新型コロナワクチンの有効性偽った」

安井克至
米疾病対策センター(CDC)が2021年に発表した評価結果によると、ファイザー製ワクチンの有効性は、発症予防で92.4%、入院予防で94.3%だった。ファイザーが当初発表した95%からは下がったが、これは新たな変異株が広まったことが主な原因だ。

CDCは現在も、ファイザー製ワクチンの有効性を認め、接種を推奨している。世界保健機関(WHO)は、同社製ワクチンには「重症化予防では非常に高い有効性、発症予防では中程度の有効性がある」との見解を示している。

パクストン長官は5月、ファイザー、モデルナ、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の大手製薬3社が、新型コロナワクチンの開発で「機能獲得研究」を行った疑惑や、ワクチンの有効性を偽った可能性について調査を開始した。機能獲得研究は、ウイルスをよりよく理解するために改変するもので、物議を醸している。

調査開始を受け、ファイザーの広報担当者は地方紙テキサス・トリビューンに対し「世界各国の規制機関が当社の新型コロナワクチン使用を許可している」と反論した。パクストン長官は、モデルナやJ&Jに対する訴訟は今のところ起こしていない。

パクストン長官は新型コロナ流行中、ワクチンやマスクの使用に反対。連邦政府の早期教育プログラム職員に対するワクチン接種義務付けをめぐり、バイデン政権を提訴していた。このような動きはテキサス州に限らず、ワクチンや公衆衛生対策に対する懐疑的な見方は全米で広まった。

フロリダ州のロン・デサンティス知事は2022年12月、パクストンが今年開始したものと似た「新型コロナワクチンに関連するフロリダ州民に対する犯罪や不正行為の調査」を大陪審が行うことを求める申し立てを行ったが、その結果は公表されていない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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