11月29日にあった米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)主催のイベント「ディールブック・サミット」に出席したマスクは、Xへの広告出稿を停止した企業は金銭で自身を「脅迫」していると非難。こうした企業に対し、「くたばれ」と暴言を吐いた。
同じイベントに登壇したアイガーは「イーロンを、そして彼が成し遂げたことをとても尊敬している」としながらも、問題となったXへの投稿をマスクが支持したことには異論を唱えた。「彼が公にあのような立場をとったことで、そうした立場とイーロン・マスク、そしてXとのつながりは、われわれにとって必ずしもポジティブなものではないと感じた」
その後、複数の右派Xアカウントが、人々にDisney+の解約を呼びかけた。そのうちの1つである「End Wokeness」は「あなたを嫌う人たちにお金をあげるのはやめよう」と書き込み、解約方法を案内した。
ディズニーの広告出稿停止はXにとって数百万ドル(数億円)の損失となる可能性がある。一方、右派のXユーザーが同規模の損失をディズニーに与えるには、加入者1億4600万人(8月時点)の多くを解約させる必要がある。
NYT紙によると、Airbnb(エアビーアンドビー)やコカ・コーラ、ディズニー、IBM、マイクロソフト、Xfinity(インフィニティ)など十数社の広告出稿停止で、Xは7500万ドル(約110億円)もの広告収入を失う可能性がある。
IBMは先月、メディアを監視する左派系非営利団体のメディア・マターズ・フォー・アメリカの報告書を受けて、Xへの広告出稿を最初に停止した大手広告主の1社となった。同報告書では、IBMやアップル、オラクル、Xfinityの広告が、ネオナチの投稿やアドルフ・ヒトラーを賞賛する投稿の近くに掲載されていると指摘した。
これに対しマスクは、調査結果は一般的なユーザーの体験とは大きく異なるものだと反論。メディア・マターズが意図的にこうした結果を導いたと示唆した。Xはその後、メディア・マターズを名誉毀損で提訴した。
マスクはまた、「ユダヤ人コミュニティは、自分たちがやめてほしいと主張する憎悪を白人に向けている」というユーザーの投稿に賛同を示してシェアしたことでも批判を浴びた。米ホワイトハウスの報道官もマスクの対応を非難し、「反ユダヤ主義的で人種差別的な憎しみを助長するものだ」と表明。マスクは11月29日のイベントの壇上でこの投稿について謝罪し、「X上でのこれまでの言動で最も愚かなことのひとつ」だったと認めた。
ディズニーは2022会計年度、広告に72億ドル(約1兆575億円)を費やした。2021年の55億ドル、2020年の47億ドルを上回る。
(forbes.com 原文)