カミラ・ビクトリアーノは、マイアミで過ごした幼少期、スペイン語のラジオやメディアに親しんだ。しかし、20年近く経った今、彼女はこのラテン系に焦点を当てたコンテンツが、トラウマや闘争、そして昔話によって占められていることに気づいた。
コメディやSFのようなジャンルをヒスパニックメディアに取り入れたいと考えたビクトリアーノは、「ロサンゼルス・タイムズ」でオーディオ開発に携わった経験を生かし、2020年に自身のポッドキャスト会社ソノロを立ち上げた。
ビクトリアーノは、「起業のキッカケのひとつは、ラテンアメリカ人コミュニティーに特化したものが世の中になかったことです」と語る。
1300万ドル(約19億円)の資金と172のポッドキャストを抱え、ネットフリックスやアマゾン・スタジオと契約を結ぶビクトリアーノは、今年の「UNDER 30 メディア部門」でも目立っている。
デビュー作の映画化が決定
今年のリストには、多様なストーリーテリングを通じてメディアの未来を切り開くために、それぞれの経歴、経験、興味を活かす30人が選ばれた。イラン系アメリカ人のジャーナリストで作家のイマン・ハリリ・キアは、アイデンティティと自己発見の物語を語ることでキャリアを築いてきた。ハリリ・キアは物心ついたときから自分自身と自分の人生について書いてきた。子供の頃、ヤングアダルト小説に慰めを求めた彼女は、その経験を他の若い読者にも与えたいと決意した。
今日、彼女はそれを実現した。ハリリ・キアの作品には、一本眉からセリアック病まで、あらゆることを探求した個人的な記述が含まれている。
「私は、多くの一世の子供たちと同じように、2つの世界に足を踏み入れて育ちました。完全にアメリカ人であるほど西洋的ではなく、完全にイラン人であるほど中東的ではありませんでした」と、ハリリ・キアは書く。
2022年、ハリリ・キアは、中東系アメリカ人ジャーナリストの青春物語であるデビュー作『A Hundred Other Girls』を発表した。この作品は現在、映画化がすすんでいる。
伝統的な物語を打ち壊すことは、エラザール・ソンタグが自分の足跡を残す方法でもあった。ソンタグは16歳のとき、サンフランシスコのレストランで最初の仕事を得たとき、興奮した。しかしすぐに、忙しい厨房は、過度な男らしさと不快なジョークの世界であることに気づいた。食に情熱を燃やす若きクィアとして、ソンタグは、その後、フード・ライティングにおけるクィアのアイデンティティを取材してきた。
「クィア・レストランについて書くことは、希望の光であり、重要な仕事が気づかれるようにする方法のように感じます」と、ソンタグは言う。
彼は22歳でに『イーター』で働き、24歳で『ボナペティ』の最年少レストラン・エディターになった。彼はまた、2014年に発売された料理本『Flavors of Oakland』を執筆し、クィア・レストラン・ムーブメントを記録した別の本を執筆中だ。