映画『マーベルズ』は、オープニング週末の興行収入がマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品としては史上最低を記録。批評家による評価もMCU史上最低レベルとなり、最終的な興収もMCU史上最低となる見通しだ。そしてアイガーは、自分にはその原因がわかっていると考えている。
「質を高めるには、しっかり注意を向ける必要がある。偶然に起きるものではない。私たちの場合、量によって質が薄められてしまった」アイガーはこう語ると、次に『マーベルズ』について「いわば、セットでの監督があまりできていなかった。毎日、何が行われているかを注意深く監視している幹部がいなかった」と述べた。
これは、自身の下で作られた映画に対するものとしては、非常に厳しいコメントだ。私はこの発言が、アイガーがむしろ状況を正しく見極められていないことを示すものだと考える。『マーベルズ』は確かにMCU史上最大級のヒットとはならなかったが、11億ドルの興収を稼いだ前作『キャプテン・マーベル』よりもはるかに良い作品だ。前作よりも興収が8億ドルほど減る見通しであることは、この作品の質よりかは、MCU全体や「スーパーヒーロー疲れ」に原因がある。
これについては以前にも書いたが、映画評論家の間では最近「スーパーヒーロー疲れ」、さらにいうと「MCU疲れ」が広まっている。MCU映画は最初の10年ほどの間、評論家のスコアが一般のファンと同じか、それよりも高くなることが多かった。だが今はというと、ファンのスコアはほぼ常に評論家より高く、多くの場合は両者の間に大きな開きがある。『マーベルズ』も、批評家のスコアは61%で、ファンの83%よりはるかに低い。