10月某日、そのオープンを記念して開催されたイベント「TOKYO NODE : OPEN LAB」で、Forbes JAPANは「虎ノ門 未来編集会議 by Forbes JAPAN」と題したトークセッションを実施。京都大学で特任准教授を務める本多正俊志と音楽家の江﨑文武が、TOKYO NODEと虎ノ門の可能性を語り合った。モデレータは、Forbes JAPAN Web編集長の谷本有香が務めた。
谷本:まず2人の虎ノ門のイメージについて聞かせてください。
本多:新卒で就職したのが六本木一丁目にあった外資系コンサルティング会社で、当時は虎ノ門近くに住んでいました。虎ノ門ヒルズがオープンした2014年頃に新社会人となったこともあり、個人的には当時の淡い記憶とともにある“思い出の場所”でもあります。休日に食事にきたり、「出世の階段」を登ってみたり笑。この5年ほどで、虎ノ門での打ち合わせが増えた印象もあります。
江﨑:私は福岡出身で大学進学を機に上京したこともあり、東京の歴史を知りながら街歩きをするなかで、虎ノ門も知りました。大学在学中に「虎ノ門ヒルズというすごい建物ができた」と聞き、とりあえずのぼってみようかと。地方出身者からすると、東京の夜景はテンションが上がるものでした。
それまで虎ノ門を意識することはなかったのですが、虎ノ門ヒルズの存在によって新しいビジネス街という印象を持ち、行ってみたい場所になりました。江戸城を築いた名将・太田道灌が『虎は千里行って千里帰る』ということわざにあやかって名付けた地名と知ったのも、そのときです。
谷本:虎ノ門は以前から政治や経済の中心地でしたが、TOKYO NODEの誕生によって、アートやカルチャーを含めた多様性の発信拠点としても期待されています。どのようにご覧になりますか?
江﨑:この数年で、ビジネスとアートには接点できていますが、「音楽」はそこから外れているというか、それまで深い関わりが持てていないと思います。音楽はカウンターカルチャーという立ち位置から、政治や経済の中心部に近くなればなるほど、立ち入る余地がなくなると感じていました。
それだけに、虎ノ門にTOKYO NODEができるという話を聞いた時は、さらに新しい風が吹くのではないかと感じました。T MARKET(駅前広場に直結する食を中心したコミュニティ)に若いチームが参加しているなど、どこか余白があるような場所という印象を受け、若者が活躍する余地がありそうだなと。音楽の領域でも、何かタッチポイントが生まれるのではないかという期待もあります。