新館がオープンした11月10日からの3日間で、本館と合わせた来場者数は延べ16万8000人に達した。1日当たり両館で計4万人から5万人の集客を目標にしたい。
県外からの集客については全体の10パーセントから20パーセントを想定している。県別で言えば佐賀県から訪れる人が多くなると思う。9月の西九州新幹線開業で、本館の利用者数は従来の1.6倍になった。私は長崎駅周辺まちづくり推進協議会の副会長も務めており、地元の商店街とも共にできることを考えていきたい。
国際観光都市の陸の玄関口をつくる
──インバウンドの取り込みは?あまり意識はしていない。マリオットホテル開業を見据えて、テナントについては高級ブランドとも交渉したが条件面で折り合わず、実現には至らなかった。ただ、外資系のマリオットホテルの誘致には国際観光都市である長崎の陸の玄関口をつくりたいとの願いが込められている。
新館には着物の店なども入居した。長崎らしさを打ち出していけば、(インバウンドなどの)観光客にも足を運んでもらえるのではないか。
──来秋開業予定のスタジアムなどとの回遊性はどう考えているのか?
距離的には1キロメートル離れているが、歩くと20分もかからない。路面電車でも2駅程度だ。低速のモビリティ導入に向けた実験もしている。
スタジアムまで歩いてもらうには、地元の人たちによる盛り上げも欠かせない。街づくりでお手本にしたいのはオランダ。長崎と同様、川と海の街だ。街中にクルマを入れないなどの取り組みも勉強していきたい。
──雇用創出の効果はどんなものに?
アミュプラザでは本館と新館を合わせて5000人。新館の入ったビルだけならオフィスやホテルも含めて計3600人に達する。テナントの店舗からは長崎県出身者が戻ってきたという声も聞く。周辺にはマンションも増えた。
課題は、斜面の土地にある家屋の老朽化対策だ。リフォームするなど若い人たちに来てもらうための対応が求められる。福岡市に比べて家賃が高いのも問題だ。今後は容積率を上げるなどの対応が必要だろう。
連載 : 足で稼ぐ大学教員が読む経済
過去記事はこちら>>