「Xbox税」とは、マイクロソフトやその傘下企業によってXbox向けに開発されたゲームが、Xboxタイトルだというだけの理由で厳しい評価を受けていることを示す言葉だ。主にゲームジャーナリストの間にある反Xboxバイアスにより、本来なら高評価が得られたであろうXboxゲームが低い評価を得ているとされる。
私は最近これについて何度か質問されたが、答えは常に同じで「Xbox税など実在しない」だ。Xbox税が事実だと考えている人は、そうしたバイアスを示した非常に愚かなレビューが1件あることを知ったか、ゲームジャーナリストたちが長年にわたって口にしてきたXbox関連のジョークを耳にしたかのどちらかだろう。
その愚かなレビューとは、英ニュースサイト「メトロ」によるものだ。同サイトは英タブロイド紙デイリー・メールが所有しているが、同紙は意図的に人々をあおってページビューを稼ぐようなメディアだ。メトロは『Hi-Fi RUSH』に5点満点中4点の評価を下したレビュー記事で、次のように書いている。
「ここ数年間のXboxタイトルは不毛の地となっているため、この作品に下せる高評価は限られてしまうが、本作はXboxゲーマー、開発元のTango Gameworks、そしてリズムアクションジャンル全体に新鮮な風を吹き込むタイトルになっている」
Xboxには過去数年間にわたり良いゲームがないとの理由で、特定のXboxゲームのスコアを下げたことを示唆したメディアは、私が知る限りではメトロだけだ。これは非常に愚かな主張であり、ゲームを評価する基準としてはまったく筋が通らない。これは、炎上を狙う手法で知られるタブロイド紙の傘下にある、たった1つのメディアが書いた、たった1つのレビューであり、記事にはライターの署名すらない。
これ以外に、Xbox税の存在を示すものは何もない。人々が例として挙げているものは、大手ゲームメディアのIGNがXboxで『ゴッド・オブ・ウォー』が発売されていないことについて飛ばしたジョークや、IGNニュース編集者がマイクロソフトによる一連の企業買収を批判したコメント、別のIGNライター(IGNはなんとも大人気だ)がPlayStationには毎年大ヒット作がある一方でマイクロソフトにはないと言ったジョークなどだ。