アレルギー性結膜炎はよく見られる消耗性疾患であり、世界で数百万人を苦しめている、目の慢性的炎症を特徴とし、花粉、ほこり、ペットのフケなどのアレルゲンに触れることによって引き起こされる。一部の市販あるいは処方された抗ヒスタミン薬が症状を緩和させるが、そのような治療は、不適当であったり副作用を起こすことがしばしばある。この理由から、アレルギー性結膜炎を管理する有望な治療法として、アレルゲン免疫療法が登場した。
免疫療法とは?
免疫療法は、免疫系が病原生物と異常細胞を特定、発見し、除去する能力を促進することを目的とする現代の治療法だ。この技術では、薬品、ワクチンなど、身体の自然な免疫反応を刺激あるいは調整する物質を使用することによって、免疫系が特定の疾患細胞や病原体を認識し攻撃するよう訓練する。免疫療法は、自己免疫疾患、感染症、アレルギーなどさまざまな疾患や不調に対する治療法としての可能性が認められている。近年、免疫療法がさまざまな種類のがんの治療に非常に有効であり、長期的な寛解や人生の質(QOL)の改善に役立つ可能性があることが研究によって明らかにされた。その最大限の可能性を見極めるにはさらに研究を重ねる必要があるものの、すでに免疫療法は、さまざまな疾患の治療における最も有望な手法のひとつであると考えられている。
免疫療法は、アレルギー性結膜炎に苦しむ人たちのアレルゲンに対する感受性を低下させる効果的な治療法だ。その治療は少量のアレルゲンを時間をかけて投与し、その物質に反応しにくくなるように免疫系を訓練することで達成される。
アレルギー性結膜炎の治療に使用されている主な免疫療法には2種類ある。舌下免疫療法(SLIT)は錠剤の形で、皮下免疫療法(SCIT)は注射によってそれぞれアレルゲンを投与する。