GMがロボットタクシー部門クルーズの予算を削減、安全性への懸念から

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29日、ゼネラル・モーターズ(GM)は自動運転部門クルーズへの支出を「大幅に」削減すると発表した。クルーズは11月、無人運転車に対する安全性への懸念が高まる中、ロボタクシーをリコールしていた。

ロイター通信によると、最高経営責任者メアリー・バーラは電話会議で「大幅に減少する」ロボタクシー部門への支出など、クルーズの再開には「より慎重」になると述べた。

バーラは、同社の目標は「安全性、透明性、説明責任にチームを集中させる」ことであり「地方、州、連邦レベルの規制当局との信頼関係を再構築する」ことであるとした。

ニューヨーク・タイムズによると、バーラはまた、クルーズの業績を称賛し、同社の将来に自信を持っており「我々が買収してからの8年間に、クルーズが成し遂げたことには驚いています」と付け加えている。

フィナンシャル・タイムズによると、GMは、クルーズが今年1〜9月までに失った金額を19億ドル(約2800億円)と推定している。

クルーズは昨年、サンフランシスコでロボタクシーサービスを開始した。ニューヨーク・タイムズによると、同社はフェニックス、ヒューストン、オースティン、ナッシュビルなどの都市でも自動運転タクシーサービスをテストしている。しかし、サンフランシスコで同社の車両が女性に大怪我を負わせるなど、ここ数カ月でクルーズの車両の安全性についての批判は高まっている。

クルーズはその後、ロボタクシー950台をリコールした。カリフォルニア州陸運局は、クルーズの車両は「公共の運行には安全ではない」とし、クルーズの運行許可を取り下げた。クルーズは陸運局の調査の中で車両を半分に減らすことに同意し、その後全米での運用を一時停止した。最高経営責任者カイル・ヴォクトと共同設立者ダン・カンは今月辞任を発表している。バーラはクルーズについて楽観的な姿勢を崩しておらず、GMは同社を「全面的に支援」すると語っている。

GMは、今年の純利益を91億~97億ドル(約1兆3400億〜1兆4200億円)と予想している。この見通しには、6週間余り続いた全米自動車労組のストライキによる税引き前利益の損失11億ドル(約1600億円)が含まれている。GMはまた、総額100億ドル(約1兆4700億円)の自社株買いを開始する予定だ。

今年に入ってから約14%下落しているGMの株価は29日の朝には9%上昇した。

forbes.com 原文

翻訳=上西雄太

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