ライフスタイル

2023.12.01 15:00

二次元に恋する「フィクトフィリア」の人が持つ3つの特徴

遠藤宗生

2. 架空のキャラに、感情的に深く入れ込んでいる

面白くて、非常に生き生きとしたファンフィクション(二次創作)に出会ったことがあるとしたら、その作者はフィクトファイルかもしれない。2021年の研究によると、フィクトファイルは、熱狂的なファンと同様に、白昼夢や空想にふけったり、コスプレをしたり、ファンアートを描いたり、そのキャラクターを中心にしたファンフィクションを制作したりすることで、愛するキャラクターとのつながりを深めるという。

またフィクトファイルは、キャラクターに関連したタトゥーや衣服、宝飾品などグッズを身につけることもあり、それらは深い賞賛と愛着を具体的に表現する役割を果たしている。しばしば、キャラクターが関わるフィクションの世界の出来事に、強いパラソーシャルな感情的結び付きを示し、キャラクターの成長や人間関係、ストーリー展開から深い影響を受ける。

2021年の別の研究は、キャラクターと関わることの魅力を、個々人の「愛着スタイル」に基づいて説明している。この研究では、対人関係で拒絶されることを恐れる「不安型」の愛着スタイルを持つ人は、架空のキャラクターとより強いパラソーシャルな感情的結びつきを形成することがわかった。特に、いつくしみが深く、安心感を与えてくれるキャラクターに、そうした感情を持つという。

逆に、人とのつながりを避ける「回避型」の愛着スタイルを持つ人は、自分が重視する自律性や独立性などの特徴を持ち、自分の言動を肯定してくれるようなキャラクターに引かれる。

3. 実在の人物より架空のキャラを好む

別の研究によると、架空のキャラクターに感情的に入れ込む現象は、こうしたキャラクターが、(たとえ複雑な感情を呼び起こす存在であったとしても)倫理的だったり、魅力的だったり、現実味があったり、個人的に結びつきを感じられる人物であったりすると評価されることで生じる。例えば、許せない犯罪を犯したキャラクターに引かれ、そのキャラクターに魅力を感じたり、気の毒に思ったりもする。
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翻訳=ガリレオ・編集=遠藤宗生

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