暗号資産

2023.11.28 16:00

コインベース株価が大幅高、競合バイナンスの米市場撤退で

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米国の暗号資産取引所コインベースの株価は11月27日、2022年4月以来の高値まで上昇し、競合のバイナンスが米国からの撤退を余儀なくされたことを受けて始まった株価の上昇を拡大した。

コインベースの株価は27日に4%上昇し、年初来の上昇幅を260%に拡大した。

コインベースの株価は、競合の取引所のバイナンスが米国での事業を停止し、約40億ドル(約5920億円)の罰金を支払うという先週火曜日の衝撃的な発表以降に18%上昇している。バイナンスの創業者で元CEOのチャンポン・ジャオは、同社が効果的なマネーロンダリング防止プログラムを保てない原因を故意に作ったとして有罪を認めた後に、同社を退任した。

コインベースのブライアン・アームストロングCEOは27日のCNBCとのインタビューで、バイナンスに対する取り締まりを歓迎し、この動きが、暗号資産業界を次のチャプターに進めることにつながると語った。

一方、ビットコインは27日に1%下落して約3万7000ドルをつけ、約1年半ぶりの高値をわずかに割り込んだ。

フォーブスは、アームストロングの保有資産が、バイナンスに対する米当局の措置が発表された前日の20日以降に12億ドル増加し、53億ドルに達したと試算している。一方、バイナンスの90%を所有するジャオの保有資産は150億ドルと試算されており、アームストロングの資産をはるかに上回っている。

コインベースの株価は、今でもピーク時の2021年11月につけた最高値の354ドルを約70%下回っている。世界最大の暗号資産取引所であるバイナンスは、CoinGeckoのデータによると9月時点で44%の市場シェアを持っていたが、コインベースのシェアは7%だった。

バイナンスは、今後も米国以外の国でのオペレーションを継続する予定という。同社に対する有罪判決は、もう1つの大手取引所のサム・バンクマン=フリードが率いるFTXの劇的な崩壊からほぼ1年後のタイミングで出されたものだ。

一方、コインベースも規制当局の取り締まりを免れていない。同社は不正行為を否定しているが、米証券取引委員会(SEC)は6月に、未登録の証券を販売したとして同社を起訴していた。

バーンスタインのアナリストのゴータム・チュガニは、先週のノートで、暗号資産市場が「規制の明確化と待望のビットコインETFの見通しの改善などのポジティブな要素」に再び焦点を当てて「前進」すると述べていた。チュガニはまた、コインベースが海外でのデリバティブ取引ビジネスや、米国で承認されたビットコインETFのブローカーとして、さらなる利益を得る可能性があると指摘した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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