大蔵小学校、御蔵小学校、明和小学校、萩野小学校、新盛小学校の児童約30人がオンラインで参加したこの特別授業は、テクノロジーとの関わり方について、文章や対話を通して多角的に深く考える力を養うことを目的としたもの。授業を企画した大蔵小学校の村上武教諭は、豊橋技術科学大学で人間とロボットとの関わりを研究する岡田美智男教授が著した小学校5年生向けの教材「『弱いロボット』だからこそできること」を使おうと考えた。そして、パナソニック エンターテインメント&コミュニケーションのNICOBOプロジェクトリーダー増田陽一郎氏へ参加を依頼し、実現したというわけだ。
NICOBOは「心の豊かさ」という価値提供を模索するパナソニックの社員が、周囲の人の力を借りて仕事を行う「弱いロボット」という岡田教授のコンセプトに共鳴して開発され、製品化された。基本的に何もしない。
授業では、生成AIやインターネットのリスクについて、テクノロジーの進歩による弊害と利益、人の少ない地域では強いロボットやテクノロジーと弱いロボットとのどちらが必要かといった問題を児童が語り合った。授業後、児童たちからは、「必要なテクノロジーは人の立場によって異なるということに気づきました」、「テクノロジーに頼りすぎず、自分で考えて行動することの重要性について学びました」、「弱いロボットは人のやさしさを引き出す存在である」といった感想が寄せられた。
村上教諭は、この授業が「間違いなく子どもたちの考えに大きな揺さぶりを与え、対話を引き出し、深めるきっかけ」になったと話している。またNICOBOプロジェクトリーダーの増田氏は、児童たちの「弱いロボットのコンセプトの理解には驚くものがあった」と感想を述べている。ひたすら便利さを求める価値観が崩壊した次の世代のテクノロジーは、この子どもたちが担っていくのだろう。
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