ロシア軍の驚くほどの損失は「ウクライナ軍の近代的な携帯式の対装甲兵器や地雷、無人航空機(UAV)からの投下弾、精度の高い砲システムなど、有効な兵器の組み合わせによるものと思われる」と英国防省は指摘。アウジーイウカの戦闘では、ロシア、ウクライナ軍双方がクラスター弾を使用しているが、クラスター弾が最も効果を発揮するのは身をさらしている部隊に対してであり、アウジーイウカとその周辺では身をさらしているのはロシア軍の兵士だ。
冷戦時代の古い車両を大量に保管しているロシア軍でさえ、ウクライナ全土での週に数百両というペースの損失を補い続けることはできない。この夏、ザポリージャとドネツクでウクライナ軍が下車歩兵の攻撃を成功させたことに目をつけたのか、ロシア軍は残っている車両の投入を控え、代わりに歩兵を徒歩で前線に送り出すようになった。
ウクライナの調査グループ「フロンテリジェンス・インサイト」は「最初の1カ月の襲撃とは対照的に、ロシア軍は少ない車両を少数の兵士で使用している」と指摘。「少数の戦術部隊の投入が顕著に増加しており、これまでの損失にもかかわらず同じ地域を絶えず移動している」とも解説した。
これまでのところ、ロシア軍の戦術はあまりうまくいっていない。「我々の部隊は(アウジーイウカ北部の)コークス工場に向かって前進し、敵の砲火を浴びながらさらに数百m進んだ」「また、突撃部隊はアウジーイウカ北側に位置するステポべ村の右側(南側)から前進した」とあるロシアのオブザーバーは報告した。
「我々は2回の攻撃で敵を打ちのめすことができた。そして、ここでの前進は数百mに達したが、相当な労力で達成した」