アジア

2023.11.27 15:30

受験会場周辺には警察官も配備、韓国中が大学受験に神経を尖らすスヌンの日

特に、今年の3月には、小児科の医師たちが集団で「廃科」を宣言するなど、実際に小児科は崩壊しつつある。小児科の開業医は、少子化と低い診療報酬によって経営難に追い込まれているという。

有名な受験塾の分析によると、スヌンの医大合格圏は、現在、国語・数学・探求領域の100点満点での平均は95.3点である。医大定員が現在より1000人が増えれば94.5点となり、2000人増員すると94点まで下がると予測され、さらに増員幅が3000人ほどになると93.5点まで点数は落ちて、4000人なら93点となる。

医大の定員増員は、2024学年度のスヌンでも、合格最上位圏を中心に影響を及ぼすものと思われる。来年から医大への敷居が低くなるという期待で浪人して医大を目指す可能性も高くなる。

昨年は、キラー問題(超高難易度の問題)の出題が議論の俎上にのぼった。これを受け、なんと大統領がキラー問題を排除するようにと訴えた。大統領までが大学入試問題に関与しなければならないほど、全国民が大学入試問題には敏感になっているのだ。

今年の受験生は50万4588人、そのうち18パーセントが仮面浪人だ。仮面浪人とは、大学に在籍しながら、次のスヌンで志望校を目指そうとする人を指す。つまり、スヌンは年に一度しかないため、とりあえず入学できた大学に在籍しているので、見かけは浪人に見えないが、密かにスヌンの勉強をしている人のことをいう。

2011学年度から模擬試験の点数を統計しているが、今年の仮面浪人の数は過去最高であった。特に、今年はキラー問題を排除する方針が明かされたので、さらに仮面浪人が増えたという。

11月22日、政府によると、保健福祉部は、全国40校の医学大学が提出した増員需要調査結果をもとに、遅くとも来年の1月初めまでに大学別に現場点検を終える計画だ。

しかし、医学大学の増員に対して、大韓医師協会は「ゼネストも辞さない」と強く反発している。

医学大学に入りたい人は多く、医学大学は増員したい、しかし現在医師免許を持っている医師たちは増やしてほしくない。さて、こうした思惑を背景に、2024学年度のスヌンを終えた受験生たちは、次の試験である論説試験や面接に向けて切磋琢磨している。

文=アン・ヨンヒ

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