2023.11.26

スバル初のEV「ソルテラ」は、パワーで負けてもスバリストを魅了する

スバル ソルテラ ET-HS(カラー:プレシャスメタル)

ラテン語で「太陽・地球」を意味するソルテラは、スバルの強みを持ち合わせた、同社初の電気自動車だ。オールラウンドなEVとして最高──、とは言えないが、期待以上に魅力的だ。 

「おや、どこかでこのシルエットを見たことがあるな」と思うだろうか? 実は、このEVはトヨタとの共同プロジェクトだ。〈86とBRZ〉の姉妹車を両社が共同開発したように、ソルテラとトヨタbZ4Xでも同じことをした。つまり、同じプラットフォームとパワートレーンを採用しているというわけだ。

しかし、世界のラリーで蓄積された4WDのトラクション、優れた耐久性、ドライビングの楽しさ、そして安全性が少しでも損なわれれば、スバルの信奉者たちは許さないだろう。だからスバルは4WDの開拓者というイメージを活かして4WDのみのSUVを作り、トヨタのbZ4Xは前輪駆動と4WDを両方オファーした。スバルとトヨタは、共同開発とはいえ、でき上がったクルマに両ブランドの個性や特徴を見せたいのだ。



ところで、スバルにとって重要なこの初のEVは、果たして月に何台売れているかというと、驚くほど少ない。今のところ、月60台ペースで販売されている。

その理由には、何があるのだろう。価格、航続距離、インフラ、充電時間というポイントでは、残念ながらすべてが厳しいと言えると思う。もう一つはデザインだね。

格好良いとは言い難い?ソルテラは、bZ4Xと同様、印象的なボディパネルと、派手な眉毛のようなホイールアーチを採用している。でも内装はこれまでのスバル車より面白いし、きれいな素材を採用している。もう少し冒険して欲しかったけどね。

もう一つネックなのは、ドライビング・ポジション。液晶メーターはプジョー車のように「ステアリングホイールの上から見る」タイプなので、メーターが見づらい。正直に言うと、背の低いドライバーほど見にくい作りになっている。



でも、今回乗った「ET-HS」仕様に装備されるタンカラーの本革シートは、キャビンの中で一番惹かれた部分だった。品があって広々した開放感がある。それに、12.3インチのタッチスクリーンは画質が良いし、割と使いやすい。



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