テクノロジー

2023.11.25 08:30

マスクの「脳デバイス」企業に安全性の懸念、米議員が調査要請

(Photo Illustration by Jonathan Raa/NurPhoto via Getty Images)

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米国の4人の民主党議員らは11月21日、米証券取引委員会(SEC)に対し、イーロン・マスクが率いる脳インプラント企業のニューラリンクを、証券詐欺の疑いで調査するよう求める書簡に署名した。議員らは、マスクが同社プロダクトの動物実験に関して虚偽の発言を行ったと主張している。
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マスクは、9月のすでに削除されたX(旧ツイッター)の投稿で「当社のインプラントの結果、死亡したサルはいない」と述べていたが、議員らはマスクが故意に虚偽の発言を行ったと主張している。

これと同様の書簡を9月にSECに送った医師グループのPhysicians Committee for Responsible Medicine(責任ある医療を求める医師委員会)によると、少なくとも12匹の若いサルが、ニューリンクのインプラントが原因と思われる症状を発症した後に安楽死させられたという。

ロイターによると今回の書簡は、アール・ブルメナウアー下院議員の主導によるもので、ジム・マクガバン下院議員やバーバラ・リー議員、トニー・カルデナス議員らが署名を行ない、SECのゲンスラー委員長宛てに送られた。
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フォーブスは、ニューラリンクにコメントを求めたが、返答は得られなかった。

ニューラリンクは、9月19日に同社初の人体臨床試験に参加する被験者の募集を開始するとアナウンスした。同社は、5月に米食品医薬品局(FDA)から臨床試験を開始するための承認を受けたと発表した。

ニューラリンクの技術は、体が不自由になった患者がコミュニケーションをとれるようにすることを目的としており、専用ロボットで人の頭蓋骨の一部を切り取って小さなデバイスを脳に埋め込み、脳の信号を読み取って外部と通信することを想定している。

同社が臨床試験を発表した翌日、責任ある医療を求める医師委員会は、SECに介入を要請した。同委員会によると、動物実験に使用されたアカゲザルは、脳の腫れや麻痺、発作などを発症し、脳内に残ったデバイスの残骸で深刻な症状に苦しんだ後に、安楽死させられたという。

ニューラリンクは昨年、米農務省からの調査にも直面した。同省は、豚や羊、猿を含む1500匹以上の動物がニューラリンクの実験で死亡した件を調査していた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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