『イカゲーム: ザ・チャレンジ』出演者、撮影中のけがでネトフリ提訴の構え

安井克至

David Esser / Shutterstock.com

ネットフリックスの新番組『イカゲーム: ザ・チャレンジ』の出演者2人が、番組撮影中に低体温症と神経損傷が生じたとして、同社と番組の製作会社を提訴する構えを示している。エンタメ情報サイトのデッドラインが報じた。

この番組は、ネットフリックス史上最大級のヒット番組となった韓国ドラマ『イカゲーム』で描かれたゲームに、一般人が挑戦するリアリティ番組。参加者456人のうち、最後まで残った1人には456万ドル(約6億8000万円)の賞金が与えられる。

デッドラインによると、英国の人身傷害法律事務所エクスプレス・ソリシターズは声明で、『イカゲーム: ザ・チャレンジ』の出演者2人が、英国で今年初めに行われた撮影中に生じたけがに対する補償を求めていることを明らかにした。

2人のけがは「だるまさんがころんだ」のゲームで起きたとされる。エクスプレス・ソリシターズはデッドラインに対し、出演者たちが「低い気温の中、苦痛をともなう負荷の高い体勢で静止」することを強いられたと指摘した。

ネットフリックスは数カ月前、英ベッドフォードにある旧空軍基地での撮影中に、出演者3人が手当てを受けたことを認めていた。同番組の広報担当者はデッドラインに対し、出演者から訴訟は起こされていないと述べている。

フォーブスはエクスプレス・ソリシターズにコメントを求めたが、今のところ回答はない。

エクスプレス・ソリシターズは、ネットフリックスが「エンターテインメントの名の下に安全性の限界に挑戦した」と批判している。

米娯楽誌バラエティはこれに先立ち、出演者の話として、同番組の撮影環境が「極めて非人道的だった」と伝えていた。出演者にギャラは支払われず、撮影は2時間程度で終わると伝えられていたものの、7時間近くかかった人もいたという。

同誌によると、撮影は英国が寒波に見舞われる中で行われ、気温は0度まで低下。出演者たちは、8時間にわたる準備を経て撮影に臨んだことによる疲労と寒さに襲われ、現場で倒れる人が相次いだという。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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